愛犬が心臓や腎臓が悪いと指摘されると不安になりますよね。
心臓病や慢性腎臓病はどちらも高齢の犬によくみられる病気です。
近年、犬の高齢化に伴い、心臓病と慢性腎臓病を併発するケースも増えてきています。
この記事では心臓病と慢性腎臓病が併発した場合の治療のポイントなどを詳しく解説します。
特に高齢の犬を飼われている方は愛犬の健康を守るために、ぜひ最後までお読みください。
心臓病と慢性腎臓病は併発しやすい?
心臓と腎臓は生きていく上で、重要な臓器であり、お互いに影響しあう関係です。
心臓病と慢性腎臓病は高齢の犬でよくみられる病気で、互いに影響して病状を悪化させる可能性があります。
心臓病が進行すると、心臓のポンプ機能が低下し、腎臓への血流が減少し、腎機能の悪化を招きます。
一方で、慢性腎臓病による体内の水分バランスの乱れや、高血圧は心臓にとって大きな負担です。
このように、心臓病と慢性腎臓病は悪循環に陥りやすく、どちらか一方の病気が進行すると、もう一方の病気も悪化しやすいため、注意が必要です。
慢性腎臓病がある犬の心臓病治療
心臓病と慢性腎臓病が併発している場合は治療が非常に難しくなります。
例えば、心臓病の治療では心臓の負担を軽減するために利尿剤を使うことが多いです。
しかし、利尿剤は腎臓への血流を減らし、慢性腎臓病が悪化してしまうこともあります。
慢性腎臓病がある犬で利尿剤を使用する場合は心臓や腎臓の状態をこまめにチェックし、利尿剤の使用量を調節することが大切です。
心臓病の治療によって慢性腎臓病が悪化した場合はどうする?
犬の心臓病の治療中に慢性腎臓病が悪化した場合は注意が必要です。
慢性腎臓病の悪化を見つけたら以下のような対応が求められます。
治療薬の調節
心臓病の治療中に慢性腎臓病が悪化した場合は腎臓への負担が少ない薬剤に変更したり、投与量を減らします。
特に利尿剤は腎臓に負担がかかるため、投与内容の見直しが必要です。
犬の心臓病治療に用いられる利尿剤は何種類かあるため、別の利尿剤に変更することもあります。
輸液療法
慢性腎臓病では体が脱水状態になったり、ナトリウムやカリウムといった電解質のバランスが乱れることもあります。
脱水状態や電解質の異常を改善させるために皮下点滴や静脈点滴を行うことがあります。
点滴は体内の水分量を増やし、腎臓の血流を改善させることができ、腎臓の保護に有効です。
しかし、体内の水分量が増えすぎると、心臓には負担がかかるため注意が必要です。
食事内容の再検討
慢性腎臓病では腎臓病用の療法食に食事を変更することで腎臓への負担を軽減できます。
心臓病と慢性腎臓病を併発している場合は両方の病気に配慮した食事を選択する必要があります。
食事を変更する際は獣医師と相談し、愛犬に最適な食事を選びましょう。
犬の心臓病や慢性腎臓病は予防できる?
犬の心臓病や慢性腎臓病の発症を完全に予防することは難しいです。
しかし、心臓病や慢性腎臓病を早期発見することで、病気の進行を遅らせるための対策を行うことが可能です。
飼い主様は愛犬のわずかな変化に気づくことが早期対応につながります。
以下のような項目を常にチェックしておきましょう。
- 呼吸の回数
- 尿の回数や量
- 食欲と体重
上記の項目に少しでも異変を感じたらすぐに動物病院に相談することが大切です。
また、定期的な健康診断も病気の早期発見につながります。
犬の心臓病や慢性腎臓病は初期段階では症状が出ないことがほとんどです。
健康診断によって病気を早い段階で見つけ、適切なケアを行うことで犬の生活の質を維持し、長く一緒に過ごすことができます。
特に7歳以上のシニア犬は半年に1回以上の健康診断が推奨されています。
まとめ
犬の心臓病と慢性腎臓病は併発することが多く、愛犬がこれらの病気だと診断された場合は飼い主様は不安を感じるかもしれません。
心臓病と慢性腎臓病を併発した犬の治療は複雑ですが、適切な管理で生活の質を維持できます。
犬の健康を守るためにも、日頃から健康状態に気を配り、異変に気づいたらすぐに動物病院を受診しましょう。
当院では心臓病だけでなく、一つ一つの症状に丁寧に対応し、よりよい治療を提供できるように心がけています。
「犬の心臓と腎臓が両方悪いと言われ、治療に困っている」
このような飼い主様は気軽にお問い合わせください。
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