誤食

犬猫が玉ねぎを誤食!|初期症状と命を守るための自宅での対処法

皆様のお家のわんちゃん、猫ちゃんは誤食、つまり食べてはいけないものを食べてしまった!という経験はありませんか?中には、チョコレートを食べてしまって吐かせた経験があったり、他にもおもちゃを呑み込んでしまったという経験がある子もいると思います。
その中でも、今回は玉ねぎを食べてしまった猫ちゃんの症例をご紹介します。

元気食欲がないとのことでご来院され、玉ねぎ入りのハンバーグを食べてしまったとのことでした。身体検査で、脱水と貧血が認められ、かなりぐったりしていたことから血液検査、お腹の超音波検査を実施しました。
その結果、重度の貧血と白血球の上昇、黄疸が認められました。



貧血と黄疸、また肝臓の数値に問題がないことから、黄疸の原因は赤血球が壊されている、あるいは何らかの原因で壊れてしまっていることが予測されましたが、赤血球の形態などから自己免疫疾患を除外し、玉ねぎ中毒による貧血と診断されました。
しかし多くの中毒には特効薬はなく、玉ねぎ中毒も例外ではありません。中毒物質を点滴で代謝させて、中毒による症状は対症療法を実施していきます。
この猫ちゃんも、玉ねぎ中毒と診断されたため、すぐに静脈からの点滴を実施しました。また、熱も高くかなり炎症も強く起こっていると考えられたため抗炎症剤も使用し、対症療法を行いました。

ここで、玉ねぎ中毒について少しお話しします。
玉ねぎ中毒は、アリルプロピルジスルファイドという中毒物質が原因で、この物質が赤血球に含まれるヘモグロビンを酸化させることで赤血球が壊れてしまいます。その結果、溶血性貧血という種類の貧血を引き起こしてしまいます。
症状はすぐに出ることは少なく、24~48時間後に出てくることが多いです。その後、赤血球が産生されれば貧血の数値は回復しますが、貧血がかなり重度の場合は命に関わることもあり、輸血を必要とします。

そんな玉ねぎ中毒なので、今回の猫ちゃんにおいても貧血がかなり進むようであれば輸血が必要かと考えられましたが、2日ほどで黄疸の数値も改善してきて、赤血球も体の中で頑張って産生されており、1週間ほどで正常値まではいかないものの食欲も出てきて自分でごはんを食べてくれるようになりました。
その後食欲もほとんど元に戻り、炎症の数値も下がり、貧血の数値も改善してきたため無事に退院となりました。
今では貧血の数値も正常値に戻り、元気にしてくれています。
このように不意のことで命に関わる事態になってしまうこともありますので、誤食癖があるわんちゃんや猫ちゃんのご家庭では注意してあげましょう。

よくある質問

Q.加熱した玉ねぎや玉ねぎのスープでも中毒の危険はありますか?

A.加熱した玉ねぎや、玉ねぎを煮込んだスープでも、中毒の原因となる成分はなくなりません。
加熱してもアリルプロピルジスルファイドなどの中毒物質は分解されにくいため、与えてはいけません。
特にカレーやシチューなど、玉ねぎを煮込んだ料理の汁にも危険な成分が含まれていますので、絶対に愛犬・愛猫には与えないようご注意ください。

Q.どれくらいの量を食べたら玉ねぎ中毒になるのですか?

A.玉ねぎ中毒は、犬・猫の体重1kgあたり玉ねぎ5〜10g程度から発症すると言われています。
ただし、個体差や健康状態によっても影響を受けるため、少量でも重症化することがあります。

Q.玉ねぎ中毒を予防するにはどんなことに気をつければよいですか?

A.調理中の玉ねぎの皮や、加工食品(ハンバーグ・ソーセージなど)にも玉ねぎが使われている場合があります。
普段から愛犬・愛猫が台所やゴミ箱に近づけないよう工夫し、食卓やキッチン周りに玉ねぎや玉ねぎを使った料理を放置しないようにしましょう。

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担当獣医師

内科・画像診断科

岩木 (イワキ, Iwaki)

English Speaking Veterinarian
多くの選択肢をわかりやすくオーナー様に提供でき、大切な家族の一員である子たちにとって最適な治療計画を一緒に見つけられる存在であるために、寄り添える獣医師を目指しています。

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