呼吸が速い

チワワの僧帽弁閉鎖不全症を徹底解説|知っておきたいチワワの心臓病とは

チワワは世界最小の犬種として知られる人気犬種です。
可愛らしい外見で多くの飼い主様に愛されていますが、実は僧帽弁閉鎖不全症という心臓病にかかりやすいです。
僧帽弁閉鎖不全症は早期発見と適切なケアがチワワの健康寿命を延ばす鍵となります。

この記事ではチワワの僧帽弁閉鎖不全症について、獣医師の視点から詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、チワワと長く幸せに暮らすためにお役立てください。

チワワってどんな犬?

チワワは体重1.5kg〜3.0kg程度と非常に小さい犬種です。
チワワは警戒心が強い傾向がありますが、飼い主様には愛情深い犬です。
抱っこして可愛がるのに最適なサイズで、日本でも室内犬として非常に人気があります。
チワワは犬をはじめて飼う方にも最適な犬種ですね。

チワワは僧帽弁閉鎖不全症が多い

横になって眠っている白いチワワ

チワワは飼いやすい犬種として人気ですが、飼う上で知っておきたいことがあります。
それは僧帽弁閉鎖不全症という心臓病が多いということです。
僧帽弁閉鎖不全症は心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁がうまく閉じなくなり、血液が逆流してしまう病気です。
その結果、心臓に負担をかけ、最終的には心不全へと進行する可能性があります。

チワワは遺伝的に僧帽弁閉鎖不全症の発症が多いとされています。
チワワのような小型犬は心臓に負担がかかりやすいため、早期に僧帽弁閉鎖不全症の兆候を見逃さないことが重要です。

チワワの僧帽弁閉鎖不全症の進行段階

僧帽弁閉鎖不全症は病気の進行具合によって米国獣医内科学会によって定められたステージ分類があります。
僧帽弁閉鎖不全症のステージ分類ではA〜Dの4段階に分類されます。
特に重要なのはチワワを飼育されている方は、愛犬がすでにステージAに該当するという認識を持つことです。
ここでは僧帽弁閉鎖不全症がどのように進行していくかをステージごとに見ていきましょう。

ステージA

ステージAはまだ僧帽弁閉鎖不全症を発症していない段階で、血液の逆流も見られません。
ステージAには僧帽弁閉鎖不全症のリスクが高いチワワやキャバリアなどの犬種が該当します。
チワワは生まれた段階でステージAに分類されるということですね。
チワワは僧帽弁閉鎖不全症を発症していなくても、その予備軍として慎重な管理が必要な段階にいます。

ステージB

僧帽弁閉鎖不全症を発症し、血液の逆流が見られた段階がステージBです。
ステージBは心臓の拡大の有無により、さらにステージB1とステージB2に細分化されます。
ステージB1は血液の逆流はありますが、心臓の拡大はなく、明確な症状もない状態です。

ステージB2では心臓の拡大が始まり、治療の開始を検討する必要があります。
また、ステージB2になると咳などの症状が見られることがあります。

ステージC

ステージCは僧帽弁閉鎖不全症の症状が進行し、肺水腫を発症した段階です。
肺水腫は肺に水分が溜まり、呼吸困難を引き起こします。
ステージCでは適切な肺水腫の管理ができないと命を落としてしまうこともあるので注意が必要です。

ステージD

ステージDはもっとも進行した段階で、標準的な治療に反応しにくい重篤な状態です。
ステージDでは肺水腫を繰り返したり、肺水腫が治らないことが多いです。
この段階では、入院管理が必要になることが多く、酸素療法や強力な利尿剤の静脈投与などが行われます。

チワワを僧帽弁閉鎖不全症から守るために注意すべきこと

舌を出して楽しそうにするチワワ

僧帽弁閉鎖不全症は完全に予防できる病気ではありませんが、適切なケアで発症を遅らせたり、進行を緩やかにしたりすることは可能です。
ここでは、チワワと暮らす飼い主様が日常生活で注意すべきことをご紹介します。

適切な体重管理

肥満は心臓に負担をかけるため、適正体重を維持することが重要です。
食事量を調整し、適度な運動も心がけましょう。
ドッグフードのカロリーや栄養バランスにも気を配り、獣医師と相談しながら最適な食事を選ぶことが大切です。

口腔ケア

歯周病が悪化すると、歯周病菌が心臓に悪影響を与え、僧帽弁閉鎖不全症が悪化する可能性があります。
チワワは歯周病になりやすいため、日頃から歯磨きなどの口腔ケアをしっかりと行いましょう。
すでに歯周病が進行している場合は動物病院で適切な治療を受けることも有効です。

若いうちからの健康診断

チワワは生まれたときから僧帽弁閉鎖不全症の予備軍という認識を持ち、子犬の頃から定期的な健康診断を受けることが非常に重要です。
聴診や心臓超音波検査で心臓の状態を細かくチェックすることで、心臓の異常の早期発見につながります。
まだ症状がないからと安心せず、若いうちから獣医師と相談し、適切なケアプランを立てましょう。
食事管理や適度な運動など健康的な生活習慣を子犬の頃から心がけることが大切です。

まとめ

いかがでしたか。
チワワは日本でも人気のある犬種ですが、飼育する上では僧帽弁閉鎖不全症への理解が不可欠です。
僧帽弁閉鎖不全症は早期発見と適切な治療により病気の進行を遅らせ、症状をコントロールしながら、愛犬と快適な生活を送ることができます。
この記事で紹介した情報が、チワワの飼い主様にとって少しでもお役に立てれば幸いです。

当院では循環器科の診療に力を入れています。
愛犬に心配なことがあれば、いつでも当院にご相談ください。

よくある質問

Q.チワワが僧帽弁閉鎖不全症と診断されたらどのくらいの頻度で通院が必要ですか?

A. 病気の進行段階や治療内容によって通院頻度は異なりますが、初期の場合は3〜6ヶ月ごとの定期検診が一般的です。
症状が進行している場合や治療開始後は、1〜2ヶ月ごとの診察や検査が推奨されることもあります。
獣医師の指示に合わせて、定期的な健康チェックを続けましょう。

Q.チワワの僧帽弁閉鎖不全症は手術という選択肢もありますか?

A.現在、僧帽弁閉鎖不全症のおもな治療であるお薬は心臓の負担を減らし症状を緩和させ、病気の進行を遅らせるための対症療法です。
しかし近年、根治を目指せる治療として、傷んだ僧帽弁を修復する外科手術も選択肢の一つとなっています。
専門的な技術を要するため実施できる施設は限られますが、成功すれば投薬が不要になることもあります。

Q.心臓病だと運動は一切させない方がよいですか?

A.心臓病と診断されても、運動を完全に禁止する必要はありません。
病気のステージによりますが、初期段階であれば、興奮しすぎない程度の短い散歩は筋力維持やストレス解消につながります。
ただし、散歩中に咳き込んだり、呼吸が速くなったりした場合はすぐに休ませてください。

渋谷区・恵比寿・代官山の動物病院
HALU代官山動物病院

 
 

担当獣医師

循環器科・内科・軟部外科

横井 (ヨコイ, Yokoi)

動物さんたちの日々の体調管理に助力させていただけたら幸いです。 分からないことや不安に思うことがあれば気兼ねなくご質問ください。

内科・循環器科・軟部外科

游 (ユウ, Yu)HALU代官山動物病院 院長

English/Chinese Speaking Veterinarian
「たとえ病気になったとしてもその中で一番幸せに暮らせるように」
患者さん、家族、獣医師間の密なコミュニケーションを大切にしています。

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