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犬の心臓に発生する血管肉腫とは|血管肉腫の症状や早期発見のポイントを解説

犬の健康を守るためには病気の早期発見・早期治療が重要です。
特に腫瘍性疾患は発見が遅れると、全身に広がることが多く、治療が難しくなってしまいます。
特に、犬の血管肉腫は心臓や脾臓などに発生する悪性腫瘍で、進行が早く注意が必要な病気です。

今回は犬の心臓に発生する血管肉腫について詳しく解説し、早期発見の重要性をお伝えします。
犬の飼い主様はぜひ最後までお読みいただき、血管肉腫の理解を深めましょう。

犬の心臓血管肉腫とは

木陰で休むゴールデンレトリバー

心臓血管肉腫は犬においてもっとも一般的な心臓の腫瘍です。
血管肉腫は心臓の右心房という部位に発生することが多いです。
血管肉腫は心臓の他にも、脾臓や肝臓などに発生しやすい傾向があります。

血管肉腫は

  • ゴールデン・レトリバー
  • ラブラドール・レトリバー
  • ボクサー
  • ミニチュア・ダックスフンド

などの犬種に好発します。
血管肉腫は非常に進行が早く、気がついたときにはすでに転移しているケースも多いため注意が必要です。

犬の心臓血管肉腫の初期症状

心臓血管肉腫は初期段階ではほとんど症状が現れないことが多いです。
しかし、病気が少しずつ進行すると、以下のようなサインが現れます。

  • 以前より疲れやすくなる
  • 安静時でも呼吸が速くなったり、浅くなったりする
  • 咳をするようになる
  • 食べる量が少なくなる
  • 寝ている時間が長くなる

上記の症状は心臓血管肉腫以外にもさまざまな原因で起こり得るため、症状だけで心臓血管肉腫と断定することはできません。
しかし、これらのサインに気づいたら、心臓血管肉腫の可能性も考慮し、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

犬の心臓血管肉腫は心タンポナーデに注意

犬の心臓血管肉腫は心タンポナーデという命に関わる危険な合併症を引き起こす可能性があります。
心臓は心膜と呼ばれる膜に包まれており、この空間にはわずかに液体が存在します。
心タンポナーデとは心臓と心膜の間に血液やその他の液体が貯留し、心臓を圧迫することで心臓の機能を著しく低下させる状態です。
心臓血管肉腫の場合は腫瘍からの出血によって血液が溜まり、心タンポナーデを引き起こすことがあります。

心タンポナーデが発生すると、犬は急激な症状を示すことが多く、以下のような兆候が見られることがあります。

  • 突然倒れたり、意識を失ったりする
  • 呼吸が苦しくなる
  • 歯茎や舌が青紫色になる(チアノーゼ)

心タンポナーデを発症した場合は心臓と心膜の間に溜まった血液を排出する緊急処置が必要です。

心臓血管肉腫の治療

ミニチュアダックスフンドを抱く女性獣医師

犬の心臓血管肉腫は残念ながら、完治が難しい病気です。
しかし、適切な治療を行うことで、進行を遅らせ、犬の生活の質を維持することができます。
ここでは犬の心臓血管肉腫の治療についてご紹介します。

外科手術

心臓血管肉腫は腫瘍が心臓の特定の部位に限定されていて、局所にとどまっている場合は外科切除が実施されることもあります。
しかし、心臓という重要な臓器に発生する腫瘍であるため、手術は非常に難しく、リスクも伴います。
また、完全に腫瘍を切除できたとしても再発の可能性も高く、単独での治療では完治は難しいです。

化学療法

心臓血管肉腫の治療では化学療法が多くの場合に行われます。
化学療法は腫瘍を完全に消滅させることは難しいですが、進行を遅らせ、症状を緩和することで、犬の生活の質を改善する効果が期待できます。
化学療法は副作用もあるため、慎重に治療を進めていくことが大切です。

緩和ケア

犬の心臓血管肉腫に対する緩和ケアは病気の進行に伴い、犬の生活の質を向上させることを目的としています。
心臓血管肉腫は非常に悪性度が高く、治療が難しいため、痛みなどを軽減し、犬ができるだけ快適に過ごせるようにすることが重要です。
緩和ケアでは今美濃管理以外にも呼吸のサポートや食事の補助など、犬の状態に合わせて、さまざまなケアを行います。

心臓血管肉腫を早期発見するには

犬の心臓血管肉腫は悪性度が高く、進行が早いため、早期発見が重要です。
心臓血管肉腫を早期に発見するためには飼い主様の注意深い観察が大切です。
飼い主様は犬の様子を毎日チェックし、ささいな変化も見逃さないようにしましょう。

また、定期的な健康診断も心臓血管肉腫の発見に有効です。
高齢犬や心臓血管肉腫のリスクが高い犬は半年に1回以上は心臓の健康チェックを受けましょう。
健康診断を通じて、無症状の段階で心臓血管肉腫を発見できる可能性があります。

まとめ

心臓血管肉腫は飼い主様にとって非常に辛い病気です。
しかし、早期発見・早期治療によって、犬の生活の質を維持し、少しでも長く一緒に過ごす時間を延ばすことができます。
日頃から愛犬の健康に気を配り、異変を感じたらすぐに動物病院を受診するようにしましょう。

当院では循環器科の診療に積極的に取り組んでいます。
愛犬の心臓の状態が気になる方や心臓腫瘍の治療でお悩みの方は、気軽にご相談ください。

よくある質問

Q.心臓血管肉腫のはっきりとした原因はわかっていますか?遺伝も関係しますか?

A. 心臓血管肉腫の明確な原因は、残念ながらまだ完全には解明されていません。
しかし、ゴールデンレトリバーなどの特定の犬種に多く発生することから遺伝的な素因が考えられています。

Q.心臓血管肉腫は具体的にどのような検査で診断するのですか?

A.診断において最も重要な検査は心臓超音波(エコー)検査です。
エコー検査により心臓内の腫瘍の有無や大きさなどの評価を行います。
確定診断には腫瘍組織の病理検査が必要ですが、心臓はリスクが高いため、画像診断や臨床症状から総合的に判断することが一般的です。

Q.治療を行った場合の予後はどうなりますか?

A. 心臓血管肉腫は進行が速い悪性腫瘍のため、残念ながら予後は厳しい場合が多いです。治療内容は病状によりますが、生存期間の中央値は4〜6ヶ月程度と報告されています。

渋谷区・恵比寿・代官山の動物病院
HALU代官山動物病院

 
 

担当獣医師

循環器科・内科・軟部外科

横井 (ヨコイ, Yokoi)

動物さんたちの日々の体調管理に助力させていただけたら幸いです。 分からないことや不安に思うことがあれば気兼ねなくご質問ください。

内科・循環器科・軟部外科

游 (ユウ, Yu)HALU代官山動物病院 院長

English/Chinese Speaking Veterinarian
「たとえ病気になったとしてもその中で一番幸せに暮らせるように」
患者さん、家族、獣医師間の密なコミュニケーションを大切にしています。

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