今回ご紹介するのは、低体重のトイプードルの橈尺骨骨折です。
橈尺骨というのは前腕の肘から下の長い骨のことをいいます。
小型犬が骨折してしまう部位で一番多いのがこの部位です。
プードルやポメラニアンなどの小さく骨が細い犬種は抱っこして誤って落としてしまったり、ソファから落ちたなどの衝撃ですぐに骨が折れてしまいます。
以下の2例はどちらも抱っこして落としてしまい足を挙げていると来院されました。2頭ともまだ若齢で体重が1㎏ほどととても小さな子です。
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手術は骨折した部位や折れ方により異なります。プレートを用いた整復、創外固定、ワイヤーを用いた整復などその子の骨折の状態に合わせて治療を行う必要があります。
今回は橈尺骨骨折であったため、プレートを用いて整復を行いました。 術後はしばらく安静が必要となりますが、2頭とも経過は問題なく、今は元気にお散歩にも行けているようです。
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今回のように体が小さい子ほど、骨が細くかつ薄いため手術の難易度はあがります。また、骨折部位も骨の先端の方で生じてしまうと骨の真ん中の骨折よりも手術の難易度はあがってきます。
骨折の手術は少しのずれが後に後遺症を起こしてしまう可能性があり、とても繊細で高度な技術が必要となります。
当院では整形分野に特化した獣医師による手術や専門外来(予約制)を行っています。
びっこをひく、どこか痛そうなど何かお困りのことがあれば一度ご相談ください。
よくある質問
Q.骨折後にギプスやプレートを使う場合、いつ頃から通常の散歩や運動ができるようになりますか?
A.骨折治療後の運動再開時期は骨折の状態や手術方法、回復状況によって異なりますが、通常は骨がしっかりと癒合するまで6〜8週間ほどの安静が必要です。
獣医師の診察で「骨がくっついている」と判断された段階で、徐々に散歩などの軽い運動が認められます。
Q.骨折を予防するために日常生活で気をつけるべきことはありますか?
A.小型犬は骨が細く骨折しやすいため、抱っこからの落下に特に注意しましょう。
抱っこする際はしっかり体を支え、高い場所やソファの上に犬だけを残さないようにします。
また、床が滑りやすい場合はカーペットを敷くなど、生活環境の工夫も骨折予防に大切です。
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