愛犬とスキンシップをとったとき、
「口が臭い」
と気になった経験はありませんか。
犬の口臭には、食べ物のにおいが残っているだけの場合もありますが、歯周病や内臓の病気が隠れていることも少なくありません。
3歳以上の犬は約80%が何らかの歯周トラブルを抱えているといわれており、口臭はその初期のサインとして注意が必要です。
この記事では、犬の口が臭くなるおもな原因や、その対策までをわかりやすく解説します。
犬の飼い主様はぜひ最後までお読みいただき、口臭対策にお役立てください。
犬の口が臭い原因と考えられる病気
犬の口が臭くなる原因は口の中のトラブルから内臓の不調までさまざまです。
ここでは代表的な原因を詳しくご紹介します。
歯周病
歯周病は、犬の口臭の原因としてもっとも多く見られる病気です。
犬の口の中には数百種類以上の細菌がすんでおり、歯に付いた歯垢はおよそ48時間で硬い歯石に変わります。
この歯石の上でさらに細菌が増えることで犬の歯茎に炎症が起こり、進行すると歯を支える骨(歯槽骨)にまでダメージが及びます。
この段階まで歯周病が進行すると、犬の口からは腐ったような臭いがすることが多いです。
歯周病を放置すれば歯が抜けたり顎の骨が折れたりする危険もあります。
犬はもともと痛みを隠す動物であるため、口臭の変化から異変に気づくことが大切です。
口腔内腫瘍
犬の口の中にできる腫瘍も、強い口臭の原因となります。
腫瘍が大きくなり、壊死(細胞が死んでしまうこと)や感染を起こすと独特の腐敗臭が発生することがあります。
特に高齢の犬で口臭が急に強くなった場合は、腫瘍の可能性に注意しましょう。
口腔内腫瘍は早めに検査を受けることで治療の選択肢が広がります。
腎臓病・肝臓病
犬が腎臓病や肝臓病になると、アンモニアに似たにおいが口から感じられることがあります。
これは腎臓や肝臓の機能が低下することで、体内で老廃物を十分に処理できなくなり、血液を通じて呼気ににおいが混じるためです。
犬の口の中に目立った異常がないのに口臭が続く場合は、内臓の病気が隠れていることも少なくありません。
糖尿病
糖尿病になると、糖の代わりに脂肪をエネルギー源として利用するため、脂肪を分解したときに発生するケトン体という物質が体にたまります。
このケトン体は独特の臭いがするため、糖尿病にかかっている犬は、甘酸っぱいにおい(ケトン臭)が口からすることがあります。
犬が水をたくさん飲む、おしっこの回数が増えるなどの症状は糖尿病に注意が必要です。
糖尿病は放置するとケトアシドーシスという命に関わる状態へ進むおそれがあるため、早期発見が重要です。
食事やおやつの内容
犬の口臭は病気だけでなく、毎日の食事やおやつの内容によっても強くなることがあります。
ウェットフードを多く食べている犬は、ドライフードを食べている犬に比べて食べかすが歯に残りやすいため、口臭が発生しやすいです。
食事が原因の口臭は、フードの見直しやデンタルケアの習慣化によって改善が見込めるケースが多いため、まずは日々の食生活を振り返ってみましょう。
犬の口が臭い場合に自宅でできるケア方法

犬の口臭対策にもっとも効果的なのが、毎日のデンタルケアです。
犬の口の中の細菌を減らして歯垢がたまるのを防ぐことで、口臭の原因そのものを取り除くことができます。
まず基本となるのが、毎日の歯磨きです。
歯磨きでは、犬用の歯ブラシで歯と歯茎の境目を中心にやさしくブラッシングしてください。
歯磨きを嫌がる犬には、最初にペーストを指に付けて舐めさせるところから始めると、少しずつ慣れていきます。
焦らず時間かけて段階的に進めることが、歯磨きがうまくいくコツです。
デンタルガムや歯磨き用のおもちゃを併用するのも有効な手段ですが、これらだけでは歯磨きの代わりにはなりません。
硬すぎる製品は犬の歯が割れる原因にもなるため、獣医師に相談して愛犬の体格に合ったものを選びましょう。
また、歯周病や内臓疾患などの病気が疑われる場合は自宅でのケアよりも動物病院での治療が大切です。
デンタルケアを続けても口臭が改善しないときは、早めに動物病院へ相談しましょう。
犬の口が臭いときは動物病院を受診すべき?

自宅でのケアを続けても犬の口臭が改善しない場合は、動物病院での検査・治療が必要です。
歯周病や内臓の病気が原因であれば、家庭でのケアには限界があり、獣医師による専門的な処置が求められます。
口臭に加えて、歯茎からの出血やよだれの増加が見られる場合は、歯周病などの口の中のトラブルが進行しているサインと考えられます。
一方で、犬の口の中に目立った異常が見当たらないのに口臭だけが続く場合は、内臓の不調が原因かもしれません。
その場合は血液検査などで腎臓や肝臓の機能を調べることが大切です。
歯周病が原因であった場合には全身麻酔をかけたうえで歯石除去(スケーリング)を行うこともあります。
麻酔下であれば、歯周ポケットの奥に隠れた歯石や感染まで丁寧に取り除くことが可能です。
また、年に1〜2回の定期的な歯科検診を受けることで、口臭の予防だけでなく犬の全身の健康維持にもつながります。
愛犬の口臭に少しでも異変を感じたら、ためらわずに獣医師へ相談してください。
まとめ
犬の口が臭い原因は、歯周病だけでなく、腎臓病や肝臓病など多岐にわたります。
日頃から歯磨きを中心としたデンタルケアを習慣にし、愛犬の口臭に変化がないかチェックしましょう。
自宅でのケアで改善が見られない場合や、急ににおいが変わった場合は、できるだけ早く動物病院を受診することをおすすめします。
早めの対応が愛犬の健康と快適な暮らしを守ることにつながります。
気になることがございましたら、当院へお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q.子犬でも口が臭くなることはありますか?
A.はい、子犬でも口臭が気になることがあります。
生後4〜6か月頃の歯の生え変わり時期には、乳歯が抜ける際の軽い炎症や、乳歯が残ってしまう乳歯遺残によって口臭が強くなることがあります。
口臭や食べづらそうな様子があれば動物病院で診てもらいましょう。
Q.犬の口臭予防にはサプリメントや飲み水に入れるデンタル製品は効果がありますか?
A.デンタルサプリメントや飲み水に混ぜるタイプの製品は、口腔内の細菌を減らしたり、口臭を軽減したりする補助的な効果が期待できます。
しかし、すでに歯石や歯周病が進行している場合は、それだけで改善することはほとんどありません。
毎日の歯磨きを基本とし、補助的なケア用品として取り入れることで、より効果的な口臭予防につながります。
Q.犬の口臭が急に強くなった場合は様子を見ても大丈夫ですか?
A.急に口臭が強くなった場合は、様子見をせず早めに動物病院を受診することをおすすめします。
また、食欲が落ちた、顔を触られるのを嫌がるなどの症状を伴う場合は、緊急性が高いケースもあるため、できるだけ早く獣医師の診察を受けましょう。
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