口が痛い

まだ若いのに歯肉炎?ねこちゃんで見られる若齢性歯肉炎について

まだ1歳にも満たないのに、歯茎が赤くなっているのを見たことはありませんか?

また、去勢・避妊手術の際に、獣医師から指摘されたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、1歳未満のねこちゃんに見られる「若齢性歯肉炎」について解説します。

■ 若齢性歯肉炎とは

若齢性歯肉炎は、若い猫に見られる炎症性の歯肉の病気で、見落とされがちな疾患のひとつです。

多くは、永久歯が生えそろう生後7か月〜10か月頃に発症します。

成猫の歯周病とは異なり、歯垢(プラーク)の量に比べて強い炎症が起こるのが特徴です。

また、研究では中等度以上の若齢性歯肉炎を放置した場合、78%以上が歯周病へ進行すると報告されており、重症化すると歯を支える骨にも影響が及びます。

成長に伴い2歳くらいで軽度のものであれば、歯肉の炎症が落ち着くこともありますが、重度の場合は口腔内構造の変化に伴い、歯周病や口内炎に進行することもあります。

■ 原因とリスク因子

はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、免疫の過剰反応が関係していると考えられています。

  • 遺伝的要因

シャム、アビシニアン、メインクーン、ソマリ、ラグドールなどで多く見られます。

  • ウイルス感染

発育期にウイルスへ感染することで、免疫バランスが乱れる可能性があります。

猫カリシウイルス(FCV)、猫免疫不全ウイルス(FIV)、猫白血病ウイルス(FeLV)などが関連すると考えられています。

■ 特徴と症状

若齢性歯肉炎では、

  • 歯垢や歯石の量に比べて歯茎の炎症が強い
  • 炎症が歯茎に限局する

といった特徴があります。

主な症状としては、

  • 歯茎の腫れ
  • 強い赤み
  • 出血
  • 重度の場合は痛み

などが見られます。

■ 治療について

治療は、動物病院での処置とご自宅でのケアの両方が大切です。

  • 病院での治療

目立つ歯石がなくてもスケーリング(歯石除去)を行うことがあります。

また、歯周ポケットの形成を防ぐために、炎症の強い歯肉の処置を行う場合もあります。

  • ご自宅でのケア
  • 毎日の歯みがき
  • デンタルケア用フード
  • デンタルおやつ など
  • 免疫調整療法

抗生剤、インターフェロン、脂肪酸サプリメントなどを使用することがあります。

特にインターフェロンや脂肪酸サプリメントは、副作用が少なく使用しやすい治療法です。

■ 早期治療の大切さ

早い段階で治療を行うことで、歯周病への進行を防ぎ、将来的なトラブルの予防につながります。

猫ちゃんは痛みを隠すのがとても上手なため、歯肉に炎症があっても症状が分かりにくく、気づかれないまま進行してしまうことも少なくありません。

また、歯肉炎や歯周病はお口だけの問題ではなく、心臓や腎臓など全身への影響も指摘されています。

そのため、気になる症状があれば早めの受診をおすすめします。

気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

ねこちゃんが健康なお口で過ごせるよう、一緒にサポートしていきましょう。

 
 

担当獣医師

内科・軟部外科・歯科

高澤 (タカサワ, Takasawa)

犬ちゃん、猫ちゃんの声なき声を理解し、ライフスタイルに合わせて治療を飼い主様と選択する事を大切にしています。 HALU動物病院の来られる方々の快適な生活と健康のお手伝いができるよう診療していきます。

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