こんにちは！
今回は猫の糖尿病のお話です。
糖尿病とはインスリンがうまく働かず、血糖をエネルギーとして利用できず、尿糖として出て行ってしまう病気です。
通常ご飯を食べると膵臓からインスリンが放出され、ご飯に含まれるグルコースを細胞内に取り込んでエネルギーとして使ったり、肝臓に貯蔵されたりして、血液中から消費され血糖値が下がっていきます。
ところが、インスリンが放出されなかったり、細胞にインスリンがうまく働かない場合には高血糖が続いて糖尿病となってしまいます。
猫の糖尿病は、発症メカニズムは人の2型糖尿病と似ているといわれており、過去に肥満だった猫は、インスリン抵抗性、つまり細胞にインスリンが作用しにくいために膵臓はさらにインスリンを放出してカバーしようとします。そうすると、次第に膵臓の細胞が弱っていき、インスリンが枯渇していってしまいます。そうして最終的にはインスリン不足となってしまいます。
症状
尿糖が出ると、浸透圧の関係で尿を産生するときに水分が引っ張られて、多尿になってしまいます。また、細胞にエネルギーが取り込まれないため体重が減ってしまいます。
治療
主には①インスリン注射②原因除去③食事療法で、これらを合わせて血糖値のコントロールを行っていきます。
しかし糖尿病では膀胱炎などの感染症や糖尿病性ケトアシドーシスなどの致命的となる合併症もあり、治療中も注意が必要です。
猫の糖尿病では、インスリン抵抗性になる原因が存在するといわれており、例えば、炎症、つまり歯周病や膀胱炎、膵炎、皮膚病や肥満、ストレスといったことも原因や増悪因子となることがあります。
一口に糖尿病といっても、その背景はその子によってさまざまで、別の病気が隠れている可能性もあります。
もし、尿量が増えた、体重が減っているなどの症状があればいつでもご相談ください。
よくある質問
Q.猫の糖尿病は完治する可能性はありますか？
A.猫の糖尿病は、早期発見・治療により寛解（症状が改善し、インスリン注射が不要になる状態）に至るケースがあります。
特に発症から数ヶ月以内で、肥満の改善や併発疾患の治療により膵臓の機能が回復することがあります。
ただし、寛解後も定期的な血糖値チェックと適切な食事管理は継続する必要があります。
Q.糖尿病の猫にはどのようなフードを与えればよいですか？
A: 糖尿病の猫には低炭水化物の療法食が推奨されます。
食物繊維が豊富で血糖値の急激な上昇を抑える処方食が理想的です。
また、インスリン注射のタイミングに合わせて1日2回、決まった時間に食事を与えることが重要です。
Q.インスリン注射はどのくらいの期間続ける必要がありますか？
A.インスリン注射の期間は猫の病状により異なります。
軽度で早期治療開始の場合は数ヶ月で寛解する可能性がありますが、多くの場合は生涯にわたる治療が必要となります。
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