健康な成犬では基本的に1年に1回の接種をお勧めしている混合ワクチン、法律で接種が義務付けられている狂犬病ワクチン。
まれにワクチン後、ぐったり、ムーンフェイス(顔腫れ)といった副反応がみられる場合があります。
せっかく疾病の予防として注射を打ったのに、体調が悪くなってしまうのでは本末転倒です。しかし、万が一感染した場合致命的になってしまう疾病だからこそ予防しておきたい…
今回はワクチンがきっかけと疑われる疾病について、お話しします。
<ワクチン副反応 疑われる原因>
一般的にワクチン接種による副作用の原因物質として、ゼラチンおよび牛血清アルブミンが考えられています。これらはワクチン製造時に用いられたり、組織培養液中に含まれ、投薬されます。
<ぐったり;アナフィラキシーショック>
アナフィラキシー反応は接種後すぐ(30分以内程度)に発症することが多い反応です。症状としては、
血圧の低下、呼吸困難(チアノーゼ)、けいれんなどで、犬で500頭に1頭、猫で5000頭に1頭起こすことが分かっています。当院ではワクチン接種後、15分程度は病院内でご様子を見ていただくようお願いしています。
<ムーンフェイス(顔腫れ)>
実際に起こるアレルギー反応のなかで最も多い症状です。
ワクチン接種2~6時間ほど経過して、顔面のかゆみ、腫れを特徴とした変化が見られます。
<貧血>
ワクチンきっかけで自己免疫性溶血性貧血IMHAを発症している可能性はあります。ワクチンを期にIMHAを発見する例は多いです。
しかしデータの数で現状では、きっかけと断言できるまで至っていません。
人間のように症状を言葉で表現できない患者さんたちは、たとえIMHAを抱えて軽度に貧血が起きていても症状なくいつも通り過ごせている場合があります。
ワクチンを打った後、体の中で急激に炎症が起こり、体調が悪くなる場合もあります。そこで行った検査で貧血が発覚した場合は、ワクチン前からすでにIMHAを抱えていたのか、ワクチンが原因で貧血が発症したのか判断することは極めて難しいものです。
<ワクチン接種は危険?>
ワンちゃんネコちゃんの体調が万全の時に接種するに越したことはありません。
それでも接種後、上記のようなワクチンの副反応が出る場合があります。接種後、患者さんに異常を発見した場合は早急にご連絡ください。
副反応は、接種後 24 時間以内に症状が現れることが多いため、特にこの間は注意深くご家族の様子をみてあげましょう。
混合ワクチンについては、もしご心配であれば、ワクチンの抗体価を計測してから接種を判断していただくこともできます。ご遠慮なくご相談ください!
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