今回は脾臓腫瘤が破裂してしまった症例をご紹介します。
来院時は重度の貧血で、立てなくなった状態で来院されました。
検査の結果、脾臓に大きな腫瘤が見つかり、お腹の中で破裂したことにより貧血が生じていました。
脾臓腫瘤は50%が悪性と言われ、とても進行が速いものが多いです。悪性腫瘍が疑われた場合には、手術で脾臓を摘出する切除生検を行い、その結果により抗がん剤を追加で行うかどうか相談になります。
一方、良性の腫瘤であった場合でもお腹の中で大きくなると破裂してしまうリスクが高いことから、ある程度大きかった場合は手術で脾臓を摘出することが推奨されます。
脾臓摘出時の写真、7CM大のおおきな腫瘤でした。

今回ご紹介した症例は、幸い良性の腫瘤で、術後の経過も良好です。
もし脾臓腫瘍でお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談下さい。
よくある質問
Q.脾臓を摘出した後、犬の生活に大きな支障は出ますか?
A.犬は脾臓を摘出しても通常の生活を続けることができます。
脾臓は血液の貯蔵や古い赤血球の処理を担っていますが、他の臓器がその機能をある程度補うため、手術後に大きな制限はありません。
ただし、免疫や感染症に対する注意が必要な場合があるため、定期的な健康チェックを心がけてください。
Q.脾臓腫瘤は高齢犬に多いのでしょうか?
A.はい、脾臓腫瘤は中高齢の犬で発生しやすい傾向があります。
特に大型犬で多く見られることが報告されています。
若齢犬では比較的まれですが、年齢や犬種を問わず発症する可能性があるため、定期的な健康診断が早期発見につながります。
Q.脾臓腫瘤は予防できますか?
A.残念ながら、脾臓腫瘤のはっきりとした予防法は確立されていません。
しかし、定期的な健康診断や超音波検査を受けることで早期発見が可能となります。
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