かゆい

【薬浴】犬の夏のかゆみ〜薬浴のススメ

夏になると痒がる!体質だから仕方ない?

毎年夏になるとすごく痒がる、皮膚が荒れるといった症状はありませんか?

このような皮膚のトラブルは、アレルギー・アトピー性皮膚炎、ホルモン疾患などが素因となり皮膚バリアが低下したり脂の異常分泌がある場合に多く見られます。

皮膚バリアが低下していると、常在細菌(ぶどう球菌など)や常在真菌(マラセチアなど)の異常増殖が起こり、皮膚の炎症が引き起こされ、痒みを生みます。その箇所を掻いたり舐めたりすると、炎症が助長されどんどん痒くなっていきます。

皮膚から検出されたマラセチア
皮膚から検出されたマラセチア

特に夏は脂の分泌が多くなるので、脂が好物なマラセチアのすみかになりやすいです。

皮膚に感染があるか調べよう

まずはテープ検査で菌の異常増殖があるかどうか調べます。

増殖している菌の種類・炎症の重症度によって治療法を選択します。

内服薬の他に、薬浴(シャンプー療法)を使う場合があります。

薬浴の適応となる代表的な疾患

〈表在性膿皮症〉

犬の表在性膿皮症

赤いポツポツ(丘疹)、白いポツポツ(膿疱)、脱毛、フケ、皮膚が黒ずむといった所見が見られる、ぶどう球菌の異常増殖に伴う皮膚疾患です。

〈マラセチア性指間皮膚炎〉

犬のマラセチア性趾間皮膚炎

指の間をよく舐めている、しつこく舐めて指の間の毛が赤い・皮膚が赤いといった所見が見られる、マラセチアの異常増殖に伴う皮膚疾患です。

薬浴のメリット・デメリット

薬浴のメリットとして、内服薬のように代謝・排泄のステップがないため、臓器への負担が極めて少ないことが挙げられますが、デメリットとして、わんちゃんの性格によってはご自宅で行うのが難しいことがあります。

薬浴ではシャンプーをしっかり浸透させるために、5-10分つけおく時間が必要です。しかしその間、じっとできない、ブルブルしてしまう子がほとんどです。病院では深さのあるシャンプー台でワンちゃんの様子を確認しながらシャンプーできるため、つけおき時間を確実に設けることができ、より質の高い薬浴効果が期待できます。

ご興味がおありの方はぜひご連絡ください。

よくある質問

Q.薬浴シャンプーを使用する頻度はどのくらいが適切ですか?

A.皮膚の状態や病気の種類、進行度によって異なりますが、一般的には週1〜2回の薬浴が推奨される場合が多いです。
しかし自己判断で頻度を増やしたり減らしたりすると、かえって皮膚トラブルが悪化することがあります。
必ず獣医師の指示に従った頻度で行いましょう。

Q.薬浴後に普通のシャンプーやリンスを使ってもよいですか?

A.薬浴用シャンプーには、特定の菌や炎症への効果が期待できる成分が含まれています。薬浴の効果を十分に発揮させるため、基本的には薬浴用シャンプーのみの使用をおすすめします。
普通のシャンプーやリンスの併用は避け、使用について不明な点がある場合は獣医師にご相談ください。

Q.薬浴後のケアで気をつけることはありますか?

A.薬浴後はしっかりとすすぎ、薬液が皮膚に残らないよう注意しましょう。
また、乾燥が不十分だと皮膚トラブルの原因になりますので、タオルで優しく水気をとり、必要に応じてドライヤーで完全に乾かしてください。
過度なドライヤーの使用は皮膚を乾燥させてしまうため、風の温度と距離に十分注意しながら行いましょう。

渋谷、恵比寿、代官山の動物病院(年中無休、年末年始も診察している動物病院)
HALU代官山動物病院
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担当獣医師

皮膚科

成田 (ナリタ, Narita)日本獣医皮膚科学会・皮膚科認定医

飼い主さまとのコミュニケーションを大事にし、日常生活における食事や習慣、スキンケアまでを一緒に考え、治療に取り組んでいきます。

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