「犬の呼吸がなんだか早い気がする」
「犬が寝ているのにゼーゼーと苦しそうな呼吸をしている」
そんな様子に気づいたとき、飼い主様はとても不安になりますよね。
犬の呼吸が早い原因の中には心臓病や肺水腫など命に関わる病気のサインであることも少なくありません。
この記事では犬の呼吸が早い時の原因などについて詳しく解説します。
犬の飼い主様はぜひ最後までお読みいただき、犬の呼吸の異常を見逃さないようにしましょう。
犬の正常な呼吸とは?
犬の呼吸の異常を見逃さないようにするには、正常を知っておくことが大切です。
犬の正常な安静時(寝ている時やリラックスしている時)の呼吸数は1分間に10〜30回程度とされています。
呼吸数を測る際には、犬が落ち着いている状態で、胸や腹が1回上下するごとに「1回」と数えましょう。
安静時や睡眠中にも呼吸が早い場合は病的な原因が隠れている可能性があります。
犬の呼吸が早いときに考えられる病気とは
犬の呼吸が早い場合はさまざまな病気が隠れていることもあります。
ここでは見逃してはいけない重大な原因を中心にご紹介します。
心臓病
心臓病は中高齢の犬に多くみられます。
特に心臓にある僧帽弁がうまく閉じなくなり、血液の逆流が起こる僧帽弁閉鎖不全症が多いですね。
心臓病では心臓から血液を送り出す機能が低下するため、全身に十分な酸素を届けられません。
そのため、体は不足した酸素を補うために呼吸数を増やし、効率よく酸素を取り込もうとします。
心臓病では呼吸が早くなる以外にも
- 咳をする
- 散歩中に疲れる
- お腹が膨らむ(腹水)
- 舌や歯茎の色が青紫色になる(チアノーゼ)
などの症状が見られることがあります。
小型犬や高齢犬は心臓病の発症リスクが高いので、上記の症状がないかを注意深く観察しましょう。
犬に多い僧帽弁閉鎖不全症の初期症状については以下の記事にまとめています。
犬の僧帽弁閉鎖不全症の初期症状を見逃さない!|早期発見のポイントを解説
肺水腫
肺水腫は肺に水がたまって苦しくなる病気です。
肺水腫では酸素を体内に取り込めなくなるため、犬は必死に呼吸をしようとします。
また、首を伸ばして苦しそうな体勢を取ったり、泡状の粘液を吐くこともあります。
肺水腫は命を落とす可能性もあるため、早期治療が重要です。
肺炎
細菌やウイルス感染などが原因で肺に炎症が起こると肺炎になります。
肺炎では、発熱や咳を伴い、呼吸が早くなるのが特徴です。
重度になると酸素不足から舌や歯茎が紫色になるチアノーゼを示すこともあります。
高齢犬や免疫力の低下している犬では肺炎が重症化しやすいため注意が必要です。
熱中症
夏の暑い日や蒸し暑い室内で起こりやすいのが熱中症です。
犬は汗をかいて体温を下げられないため、パンティング(ハッハッという速い呼吸)によって体温を調節します。
しかし、パンティングで調節できないほど体温が上昇すると熱中症を発症します。
熱中症になると呼吸がどんどん早くなり、ぐったりすることも多いです。
熱中症は短時間で命に関わる緊急事態になるため、すみやかな動物病院の受診が必要です。
肺水腫で呼吸が早いのを放置するとどうなる?
犬の呼吸が早くなる原因でよく遭遇するのが肺水腫です。
特に心臓病に伴う心原性肺水腫が多いですね。
肺水腫では本来は空気で満たされているべき肺の中に水分がたまってしまい、呼吸困難に陥ります。
肺水腫を放置してしまうと、血液中の酸素が足りなくなり、全身の臓器に障害が出ることもあります。
さらに進行すると呼吸が追いつかずに、命を落とすこともあるので注意が必要です。
犬の呼吸の異常を感じたときは
「明日の朝まで様子を見よう」
と安易な判断をせずに、すぐに獣医師の診察を受けることが大切です。
犬の呼吸が早い、こんな時は動物病院へ
犬の呼吸が早い時、すぐに動物病院へ連れて行くか判断に迷うこともあるでしょう。
犬の呼吸が早くなっている原因は生理現象による一時的なものから肺水腫などの緊急性の高い病気までさまざまです。
犬の安全を守るため、動物病院へ連れて行くべきかを判断するポイントをしっかりと知っておきましょう。
様子を見てもいい場合
お散歩や遊んだ後、一時的に犬の呼吸が早くなるのは自然な生理的反応です。
数分程度で呼吸数がもとに戻っていれば心配ありません。
夏場や湿度が高い環境でも体温調節のために呼吸が早くなります。
涼しい場所で休ませているうちに、徐々に呼吸が落ち着けば問題ないことが多いです。
緊急受診が必要な場合
呼吸が早いときに以下のような状況に当てはまる場合は、すぐに動物病院へ連れて行く必要があります。
- 安静にしていても1分間に30回以上呼吸している
- 横になれず、座ったまま呼吸している
- 咳が続いている
- 舌や歯茎が青紫色になっている
- 嘔吐やけいれんを伴っている
これらは肺水腫や熱中症などの命に関わる緊急事態の可能性があります。
犬の命を守るには早期発見・早期治療が重要です。
まとめ
犬の呼吸が早い場合は運動後や暑さによる生理的反応であれば心配ないことが多いです。
しかし、安静時でも呼吸が早い場合は命に関わる病気が隠れていることがあります。
特に、咳やチアノーゼなどの症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診することが大切です。
当院では犬の心臓病や肺水腫などの循環器疾患の治療に積極的に取り組んでいます。
犬の呼吸の異変を感じた際は気軽にご相談ください。
よくある質問
Q.ストレスで犬の呼吸が早くなることはありますか?
A.犬は興奮や不安などのストレスを感じると、交感神経が活発になり、心拍数や呼吸数が上昇します。
一時的なものであれば問題ありませんが、慢性的なストレスは犬の健康に悪影響を与えます。
ストレスの原因を取り除く、または獣医師に相談して対処法を検討しましょう。
Q.薬の副作用で犬の呼吸が早くなることはありますか?
A.まれですが、薬の影響で呼吸が早くなることがあります。
ステロイド剤などは副作用としてパンティングなどの症状がみられます。
もし、薬の服用後に呼吸が速くなった場合は、すぐに獣医師に連絡し指示を仰ぎましょう。
Q.犬の呼吸が早い時の応急処置はありますか?
A. まずは犬を涼しく静かな場所に移し、安静にさせてください。
熱中症の疑いがある場合は濡れタオルで体を冷やしたり、扇風機の風を当てて体温を下げるようにしましょう。
ただし、氷水での急激な冷却は避けてください。
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