歯石・歯周病

犬の抜歯後の食事はどうする?|フードの与え方と注意点を解説 

犬の抜歯は、重度の歯周病や歯の破折などによって、歯を残すことが難しい場合に行われる処置です。
愛犬の抜歯後、
「いつから食事を食べさせてよいのか」
「いつものドライフードを与えても大丈夫なのか」
と悩む飼い主様も多いのではないでしょうか。

この記事では、
「犬の抜歯後はいつから食事を与えていい?」
「犬の抜歯後に適した食事とは?」
「犬が抜歯後に食事を食べないときはどうする?」
といった疑問について、わかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の抜歯後のケアにお役立てください。

犬はどのようなときに抜歯が必要になる?

犬の抜歯は、痛みや感染などによって歯を残すことが難しい場合に検討されます。
抜歯には全身麻酔が必要となるため、麻酔のリスクと、歯を残すことで生じる痛みや感染などのリスクを比較したうえで判断されます。
抜歯する本数は、1本だけの場合もあれば、重度の歯周病などでは複数の歯を抜くことも少なくありません。

歯を抜くことに抵抗を感じる飼い主様もいらっしゃいますが、犬は歯がなくても食事ができることがほとんどです。
抜歯後も食事の工夫によって普段どおりに食べられるケースがあります。

犬で抜歯が必要になる代表的なケースには、次のようなものがあります。

重度の歯周病

重度の歯周病では、歯を支える歯ぐきやあごの骨が破壊され、歯が大きくぐらつくことがあります。
進行すると顎の骨が溶け、わずかな力でも骨折するリスクが高まります。

また、歯周病が進行した歯を残すと痛みや感染が続くため、犬にとっても負担が大きいです。

歯の破折

「破折」とは、歯が途中で折れてしまっていることを指します。
硬いおもちゃや事故が原因となることが多いです。
歯が折れた箇所からの感染が懸念されるほか、痛みも伴います。

乳歯遺残

乳歯遺残とは、永久歯が生えているにもかかわらず乳歯が残っている状態のことです。
乳歯遺残を放置すると歯並びや歯周病に影響することがあります。

犬の抜歯後の食事はどうする?

犬用のウェットフード

犬の抜歯は全身麻酔下で行われますが、当日または翌日から食事を再開できることがほとんどです。
抜歯後は、まず水を与え、問題なく飲めることを確認してから食事を始めましょう。

犬の抜歯後の食事は、基本的には口の中の傷に負担をかけにくい、柔らかく食べやすいフードが適しています。
ただし、抜歯の本数や状態によっては、術後すぐにドライフードを与えても問題ない場合もあります。
犬によって適したフードやドライフードに戻せる時期は異なるため、愛犬の状態に合わせて 獣医師に相談しましょう。

抜歯後に柔らかいフードを与えたい場合には、以下のような選択肢があります。

ウェットフード

ウェットフードは水分が多く柔らかいため、口の中に負担をかけずに食べやすいのがメリットです。
一方、普段ドライフードを食べている犬は、食べ慣れないフードを嫌がることもあります。
抜歯後にスムーズに食事を切り替えられるよう、可能であれば抜歯前から普段のフードに少しずつ混ぜ、慣らしておくと安心です。 

ふやかしたドライフード

普段食べているドライフードを、ぬるま湯でふやかして与えるのも一つの選択肢です。
いつものドライフードを使うので食事を切り替えずに済み、食べ慣れた味を維持できます。
ただし、ドライフードが十分に柔らかくなるまでは時間がかかることがあるため、与える前には指で潰して硬さを確認するようにしましょう。

犬の抜歯後はいつまで柔らかい食事が必要?

犬の抜歯後は、傷口が回復すれば歯がなくなったことを理由に柔らかい食事を続ける必要はありません。
犬はフードを丸呑みすることも多く、歯を抜いた後も粒の大きさや形状が合っていれば、問題なくドライフードを食べられることがほとんどです。

また、抜歯直後からドライフードを与えていた場合も、柔らかい食事に変更する必要はありません。

ただし、食べにくそうにする、口からフードをこぼすといった様子が見られる場合は、一度獣医師に相談しましょう。
これらの症状は傷口がまだ治っていないなど、問題が起きている可能性もあります。
しばらくは愛犬の食べ方を観察しながら、食べやすい形状に調整しましょう。

犬が抜歯後に食事を食べないときはどうする?

ご飯を食べている犬

抜歯後は、麻酔の影響や口の中の痛みなどから、一時的に食欲が落ちることがあります。
特に手術当日は食事をあまり食べないこともありますが、一般的には翌日頃から食欲が戻ることが多いです。

ただし、次のような症状が見られる場合は、食欲が戻るまで様子を見るのではなく、早めに動物病院へ連絡しましょう。

  • 水も飲めない
  • 繰り返し吐く
  • ぐったりしている
  • 口からの出血が続いている
  • 口元を気にする、食べようとすると痛がる

痛みが原因と考えられる場合も、自己判断で薬を追加したり、人用の鎮痛薬を与えたりするのは避けてください。
抜歯後に犬の食欲が改善しないときは改めて獣医師に相談することが大切です。

まとめ

犬の抜歯後は、すぐにドライフードを食べられる場合もあれば、柔らかい食事が必要な場合もあります。
抜歯の本数や口の中の状態に応じて、愛犬に適した食事を選びましょう。

また、犬は歯がなくてもドライフードを食べることができるため、柔らかい食事を抜歯後に継続することは必ずしも必要ではありません。
ドライフードが食べられるかどうかは抜歯した本数や傷口の回復状態によって異なるため、獣医師に相談しながら食事の変更を進めましょう。

犬の抜歯後の食事について、気になることや不安なことがあればお気軽に当院までご相談ください。

よくある質問

Q.犬の抜歯後は、おやつを与えても大丈夫ですか?

A.犬の抜歯後は、傷口が回復するまで硬いおやつを避けることが大切です。
特に、ガムやジャーキーなどの硬いおやつは傷口を刺激したり、縫合部分に負担をかけたりする可能性があります。
おやつを与える場合は、柔らかいペースト状のものなどを選びましょう。
ただし、抜歯の状態によって適したおやつは異なるため、再開する時期や種類については獣医師に確認してください。

Q.犬の抜歯後は、食事を温めて与えたほうがよいですか?

A.犬の抜歯後は、食事を人肌程度に温めることで香りが強くなり、食欲が落ちている犬でも食べやすくなる場合があります。
ただし、熱すぎる食事は傷口への刺激となるため注意が必要です。
特に電子レンジで温める場合は、加熱ムラができないようによく混ぜ、温度を確認しましょう。

Q.犬の抜歯後は、食事の回数を増やしたほうがよいですか?

A.犬の抜歯後は、一度に多くの食事を食べることが負担になる場合があります。
そのため、普段の食事量を維持しながら、1回の量を減らして回数を増やす方法もおすすめです。
例えば、普段1日2回の食事を与えている場合は、3〜4回に分けることで無理なく食べられることがあります。

渋谷区・恵比寿・代官山の動物病院
HALU代官山動物病院

 
 

担当獣医師

内科・軟部外科・歯科

高澤 (タカサワ, Takasawa)

犬ちゃん、猫ちゃんの声なき声を理解し、ライフスタイルに合わせて治療を飼い主様と選択する事を大切にしています。 HALU動物病院の来られる方々の快適な生活と健康のお手伝いができるよう診療していきます。

内科・画像診断科・歯科

岩木 (イワキ, Iwaki)

English Speaking Veterinarian
多くの選択肢をわかりやすくオーナー様に提供でき、大切な家族の一員である子たちにとって最適な治療計画を一緒に見つけられる存在であるために、寄り添える獣医師を目指しています。

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