涙やけ

【流涙症】犬の目やに、涙やけの原因と治療

こんにちは。

皆さんの中にはご家庭で飼ってらっしゃるワンちゃんの目やに、涙やけを気にかけてらっしゃる方は多いのではないでしょうか。

今回はワンちゃんの涙やけの原因と治療についてお話いたします。

涙やけのある犬

【涙やけとは】

涙液の98パーセントは無色の水分によって構成されます。

本来は外側に溢れるほどは産生されませんが、何らかの原因により涙が溢れている状態が

続き、涙で濡れた目の下の毛が赤茶色に変色してしまう事を言います。

【涙やけの原因と治療】

1.成長の段階の途中で涙点や鼻涙管が発達していない

目の周りの筋肉が未発達ですと、十分な涙液の排除がおこなわれない事があります。この場合は成長とともに治りますが、あまりにも多くの涙が溢れ、感染をおこしやすいケースは点眼や鼻涙管洗浄などが必要なこともあります。

2.老廃物で鼻涙管が詰まる

鼻涙管が細い、食べ物の成分、体質的など、いずれか、または複数の要因が重なり、鼻涙管をふさいでしまうケースの場合、病院で眼の傷を調べる検査薬を使用し鼻涙管の詰まり具合をチェックすることができます。

外側からのマッサージが有効でもありますが、鼻涙管洗浄という処置を行わないと詰まりが取れない事があります。

鼻涙管が完全に閉塞している場合は手術を行う必要があります。

3.涙点の場所が浅く排泄しにくい構造をしている場合

解剖学的に鼻涙管に涙が流れにくい構造をしている犬種に涙やけがおきることがあります。

特に有名なのは鼻涙管が細く老廃物がたまりやすいトイプードルやマルチーズ。

目頭の毛が目にあたりやすい犬種のパピヨン、日本スピッツ。

眼球が突出しているチワワ、シーズー、ブルドッグ、ペキニーズ、パグなども異物や目元の毛などの影響を受けやすい犬種です。

これらの犬種は構造上の問題なので、ケアが不十分になりやすく、定期的な鼻涙管洗浄が必要になります。

ご家庭では目の周りの毛をこまめにカットする。涙をこまめにやさしく拭いてあげてください。

4.炎症をおこしている場合

まつ毛やごみなどによる異物の刺激や、アレルギー反応(食べ物、ノミ、花粉など)により角膜に傷がついた場合、炎症をおこし、涙の量がふえ涙やけが起こることがあります。

その場合は病院にて原因の元を取り除き、かゆみや皮膚炎を起こしている場合はその治療も同時に行います。

まとめ

涙やけそのものは病気ではありませんが、その陰に何かしらの病気が隠れている可能性があります。また毛色の濃いワンちゃんの場合その事に気付かず悪化させてしまう事もあります。

毎日のケアと観察を怠らず、目の周りが涙で濡れているような事がありましたら自己判断せず、早めに受診にいらしてください。当院では、眼科専門医の診察日を設けております。

目が白い、目が赤い、目やにが気になる、涙が多いなど少しでも気になる症状がある場合、また定期検診として、ぜひご相談ください。

よくある質問

Q.涙やけ予防にサプリメントは効果がありますか?

A.サプリメントで涙やけを完全に防ぐことは難しいですが、目や皮膚の健康を維持する栄養素(オメガ3脂肪酸など)は間接的に炎症を抑え、涙やけ悪化のリスクを減らす可能性があります。
必ず獣医師と相談して適切な製品を選ぶことが大切です。

Q.涙やけがある犬は視力に影響がありますか?

A.涙やけそのものは視力に直接影響しません。
しかし、涙やけの裏に角膜炎や結膜炎などの目の病気が隠れている場合は、炎症が進むと視力低下につながることがあります。

渋谷、恵比寿、代官山の動物病院(年中無休、年末年始も診察している動物病院)
HALU代官山動物病院
03-6712-7299
info@halu.vet

 
 

担当獣医師

内科・眼科

宮本 (ミヤモト, Miyamoto)

English Speaking Veterinarian
動物たちからたくさんのことを感じ取り、からだへの負担をできる限り少なくすること、ご家族さまとのコミュニケーションの中で治療方針をご一緒に考えていくことを大切にしています。

関連記事