まぶたが腫れている

【眼瞼腫瘍】犬のまぶたにできもの…眼瞼(まぶたの)腫瘍を切除したわんちゃんの症例(獣医 眼科専門医)

今回紹介するわんちゃんは、右目の下まぶたに1㎝大のできものができているとのことで来院されました。分泌腺の感染や炎症を疑い抗生剤やステロイドを使っていましたが、あまり改善がみられていないとの事でした。

拡大鏡でこのできものの部分をみてみると、まぶたの皮膚にできている腫瘍性のものと分かりました。

犬の目にできる腫瘍の一番多い発生部位は眼瞼(まぶた)です。さらに眼瞼にできる腫瘍の中で多く報告されているものは、マイボーム腺という分泌腺からできる腫瘍、メラノサイト性の腫瘍、ウイルス感染に起因する乳頭腫などが挙げられます。

しかし、外見だけでは、どの腫瘍か判断することはできません。診断のため、またわんちゃん自身の負担を解消するために、手術でこの腫瘍を切除することにしました。

今回はこの腫瘍が下眼瞼に限局していること、またその広がりが眼瞼の1/3以下であることから“V字全層切除術”と呼ばれる手術を行いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(実際の手術の様子、腫瘍の周囲をV字に切れ込みを入れ、切除していきます)

この腫瘍は、確定診断のために病理検査へ送ります。

次に細い糸で縫合していきます。このとき、切開面をきれいに縫合することで術後の眼の違和感を感じにくくなります。また、今回使っている糸は吸収糸といって少しずつ溶けてなくなっていく糸ですので、抜糸の処置は必要ありません。

 

縫合が終わりました。

麻酔から覚めた後もしっかり目を開けていて、痛みや違和感は感じていない様子です。手術後は、術部の感染を防ぐための抗生剤を飲んでもらい、経過を見ていきます。

 

後日、今回切除した腫瘍の病理検査の結果が返ってきました。検査の結果、『皮膚組織球腫』という診断でした。この皮膚組織球腫も犬の眼瞼にできるものとして良く報告されるものの一つです。特に若い犬でできることが多く、急速に大きくなります。数週間で小さくなることもありますが、今回のように眼瞼などに出来てしまうと、犬が違和感を感じ大きな負担になることがあります。

眼にできものができている、とひとことで言っても、その種類は様々です。例えば、今回のように眼瞼にできる腫瘍であれば広がりが小さかったり、他の部分に転移する可能性が低かったりしますが、結膜にできる腫瘍であれば反対に広がりが大きく、再発や転移を起こす可能性もあります。

それらの診断のためには目に関する検査であったり、実際に切除して病理検査に出す必要がある場合があります。目に違和感を感じた場合は、早めに診察・検査にいらしてください。

 

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担当獣医師

眼科

寺門 (テラカド)獣医学博士・日本獣医眼科学専門医

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内科・眼科

宮本 (ミヤモト)

動物たちからたくさんのことを感じ取り、からだへの負担をできる限り少なくすること、ご家族さまとのコミュニケーションの中で治療方針をご一緒に考えていくことを大切にしています。

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