最近いつもより痒そうにしていたり、手や足を舐め続けている症状が増えてきていませんか?これからの暖かい時期に増えるマラセチアについてご説明します!
マラセチアってなに?
犬の皮膚に常在する酵母菌という真菌の一種で、過剰に増殖することで発症します。
症状としては痒みや独特な臭い、皮膚のベタつきが特徴で、外耳炎などにもみられることがあります。

常在しているため普段は悪さをすることなく生息していますが、
・皮膚の湿度が上がる(湿った状態が続く)
・皮膚を舐めたり、掻き壊したりすることによる皮膚バリアの破綻
など何らかの原因により、過剰に増殖し、痒みや炎症を引き起こします。
治療
「洗浄によってマラセチアを物理的に排除」が最も効果的な治療になります。
皮膚炎を起こしている場合は、マラセチアに効果のある薬用シャンプーを使用します。
発症している部分にもよりますが、大体週に1〜3回のシャンプーが必要となります。
脂を取るシャンプーのため、皮膚が乾燥しやすく、シャンプー後に保湿系のコンディショナーを使用するのがオススメです。

シャンプー
原液のまま皮膚炎の場所に塗り込み5〜10分置いたあとしっかり洗い流します。マラセチアは皮脂を好むため、シャンプー後はしっかり乾かしてあげましょう。シャンプー治療の後は皮膚が乾燥してしまうため、保湿系のコンディショナーやローションなどを使用してあげましょう。

外耳炎の場合は、鼓膜の有無を確認しながら洗浄し、外用薬を併用することもあります。
※耳の中の洗浄は綿棒などを使うと出血してしまう可能性があるため、ご自宅ではコットンなどで外側のみを優しく拭いてあげましょう。

発症に気付かず、掻き続けたり舐め続けてしまうと出血などで悪化してしまう可能性があります。
また、一度治ってもまた同じ夏や梅雨の時期に再発し繰り返すこともあります。
皮膚の状態や自宅での様子をよく見てあげて、気付いたことがあればすぐにご相談ください。
当院でもマラセチアのシャンプーや保湿剤の処方をすることが出来ます。診察にてご相談ください。
よくある質問
Q.脂漏性皮膚炎は人や他のペットにうつりますか?
A. 脂漏性皮膚炎の原因であるマラセチア菌は、犬の皮膚に元々存在する常在菌の一種です。
そのため、通常は人や他のペットに直接うつることはありません。
ただし、皮膚炎を患っている犬に触れた後は、衛生面を考慮して手洗いをしっかりと行うことをおすすめします。
Q.脂漏性皮膚炎は食事アレルギーと関係がありますか?
A.脂漏性皮膚炎は、食物アレルギーが直接の原因ではありません。
しかし、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを持つ子は皮膚のバリア機能が弱いため、二次的にマラセチアが増殖しやすい傾向にあります。
自己判断でフードを変更する前に、まずは皮膚炎の根本的な原因を特定することが重要です。
Q.脂漏性皮膚炎の症状が出たときに自宅でできるケアはありますか?
A.症状が軽い場合は、こまめなシャンプーや患部を清潔に保つことが大切です。
ただし、市販のシャンプーや薬剤の選択を間違えると悪化する可能性があるため、まずは動物病院で診断を受けて適切な処方を受けてください。
痒がる部位を掻かせないよう、エリザベスカラーなどの使用も有効です。
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