お知らせ

【犬猫の出産】出産準備期間のお母さんの過ごし方

犬や猫が産まれるまでの期間やその間に何したらいいのか?どのような準備が必要なのか?など、妊娠から出産までのお話しをしていきます。

妊娠期間

犬、猫で言う妊娠期間は交配日から分娩日までの期間を言います。

犬の妊娠期間は約58~65日です。数日にわたって交配が行われるため、どの交配日から妊娠期間を数えてよいか不明になるため、分娩予定日を推定することがやや困難となります。

猫の妊娠期間は約65~67日になります。猫は交尾排卵動物のため、交尾刺激後に排卵が起こるため、排卵後すぐに受精が可能になり、それほど幅が生じないです。

妊娠診断

腹部超音波検査

最も早期の妊娠診断が可能な方法になります。胎子の心臓の動きが確認出来るため、生存確認や胎子の様子が分かります。

犬では交配後25日以降、猫では交尾後20日以降に行うことが推奨されています。尚、胎子の心拍数が確認出来るのが、犬では排卵後28~30日以降、猫では交尾後20~25日以降になります。

レントゲン検査


胎子の骨が骨化することで診断が可能な方法です。この検査では、犬や猫の頭蓋骨及び脊椎の数を数えることで、胎子数や胎子の頭部がお母さんの骨盤を通れるかどうかを確認することが可能です。

犬は交配後45日前後、猫は交尾後40日以降の骨化が起こらないと妊娠診断を行うことが難しいです。また、レントゲン検査を行う時期は確実に胎子を確認できて分娩前のお母さんのストレスにならないように、分娩予定日まで1週間以上離れている交配(交尾)後55日前後が推奨されます。

妊娠中の食事

妊娠前期

犬では妊娠3週間頃、猫では妊娠2週間頃に急に食欲が落ちたり、嘔吐することが見られることがあります。時には嘔吐が見られることもあり、ヒトの妊娠で起こる「つわり」のような現象であると思われます。食欲は徐々に戻りますが、できる限り嗜好性が高く、消化のよい食事を少量ずつあげるようにしてあげる必要があります。

妊娠中期

妊娠中は、胎子の発育のために多くのエネルギーを必要とするため、成犬・成猫用の食事ではなく、栄養のバランスがとれていて、高エネルギー、高カロリーで消化のよい妊娠・授乳期用の食事に変える必要があります。急に今までの食事から全てを変えてしまうと消化不良など下痢を起こす可能性があるため、妊娠3週間頃より徐々に1週間以上かけて今までの食事に少しずつ混ぜてゆっくり変えてあげます。

この頃に食事の回数をいつもの1日2回から1日2~3回と回数を増やしてあげます。


妊娠後期

犬では妊娠45日頃、猫では妊娠36日頃から胎子が急速に発育します。この頃から、食事の量も徐々に増やしていきます。ただし、肥満は微弱陣痛の原因となり、難産の原因になるので適度な運動を行うようにします。
発育した胎子によって大きくなった子宮により胃が圧迫されるため、一度に多くの食事を食べることが出来ない場合が多いです。そのため、少量ずつ数回に分けてあげる必要があるので1日4~5回くらいに分けてあげます。

出産準備

お母さんにとって落ち着いて分娩や子育てが出来る環境を準備します。予定日の1週間ほど前より、お母さんが落ち着く場所にダンボールなどにペットシーツなどを敷き、その上にバスタオルや毛布などを敷いて、産室を作って慣れさせてあげます。
この時期はストレスを与えないため、特に見知らぬ人や他の動物が近づく事を嫌うので、人の出入りもできるだけ少なくしてあげます。

分娩徴候

分娩が近くなると、落ち着きがなくなり、過度に神経質になります。また、産室の毛布など床を前肢で穴を掘り、巣作り行動をします。他に、食欲低下や嘔吐、頻尿などが見られることもあります。
出産直前になると直腸温の低下や呼吸頻回、外陰部をしきりに気にして舐めることがあります。
犬では最も分かりやすい分娩徴候が、直腸温の低下です。出産予定日が近くなってきたら、最低1日3回は直腸温の測定を行います。出産約24時間前から37.5℃以下に低下し始めます。約10時間前に平熱よりも約1~1.5℃の低下がみられ、その後再び上昇し始めます。そのため、直腸温の低下を確認することで分娩の開始を予測することが可能となります。

ここから出産に入っていきます。出産についてはまた次回お話しします。

他に何かお困りなことがあれば、ご相談などいつでもお声がけください。

渋谷、恵比寿、代官山の動物病院(年中無休、年末年始も診察している動物病院)
HALU代官山動物病院
03-6712-7299

担当獣医師

内科・循環器科・軟部外科

游 (ユウ)HALU代官山動物病院 院長

「たとえ病気になったとしてもその中で一番幸せに暮らせるように」
患者さん、家族、獣医師間の密なコミュニケーションを大切にしています。

関連記事