「猫の去勢手術はした方がいいの?」
「去勢手術はいつ頃受けさせるべき?」
猫を飼い始めた方なら、去勢手術については一度は悩むテーマではないでしょうか。
去勢手術は、望まない繁殖を防ぐだけでなく、病気の予防や行動面の改善など、猫が健やかに長生きするうえで大きなメリットがあります。
一方で、全身麻酔を伴う手術である以上、不安を感じる飼い主様がいるのも当然のことです。
本記事では最新の知見をもとに、猫の去勢手術の適切な時期、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
猫の飼い主様は大切な家族の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。
猫の去勢手術とは?基本を知ろう
去勢手術とは、オス猫の精巣を摘出する手術のことです。
去勢手術は、望まない繁殖を避けることやスプレー行動・マーキングなどの性ホルモンに関連した問題行動の抑制などを目的に実施されます。
猫の去勢手術自体は比較的短時間で終了し、日帰りで行えるケースがほとんどです。
ただし全身麻酔が必要となるため、事前の健康チェックは欠かせません。
健康な猫であれば麻酔手術のリスクは非常に低いですが、持病のある猫や高齢の猫では注意が必要です。
猫の去勢手術の適切な時期はいつ?
猫の去勢手術は初めての発情が来る前(性成熟前)にするのがよいとされています。
初めての発情が来る前に手術をすることで、望まない妊娠を確実に防ぐことができます。
また、オス猫特有のスプレー行動が始まる前に手術すれば、このような問題行動を予防することが可能です。
「まだ体が小さいのに大丈夫?」
と心配される飼い主様も多いと思います。
しかし2014年の研究では、発情前の早い時期に手術した猫と生後6〜8か月で手術した猫を比べたところ、行動面での悪い影響は見られませんでした。
また骨の成長など体の発達も実際に問題になることはほとんどありません。
小さな子猫の麻酔では体温が下がりやすく、注意は必要です。
しかし、手術でトラブルが起きる確率は低く、早い時期に手術をしても体への悪影響はないと考えられています。
実際には、生後5〜6か月頃に去勢手術を受ける猫が多いです。
ただし、ベストなタイミングはその子の体の成長や健康状態によっても変わるので、獣医師と相談しながら決めていきましょう。
去勢手術のメリット

猫の去勢手術の大きなメリットは寿命の延長です。
ある研究データによると、去勢手術を受けたオス猫は未去勢の猫と比較して寿命が約62%延長することが報告されています。
去勢をすることでケンカや事故のリスクが減ること、感染症にかかりにくくなることなどが要因と考えられています。
オス猫同士のケンカが減ることで、咬傷から感染する猫エイズ(FIV)や猫白血病(FeLV)などのウイルス感染リスクを下げることが可能です。
去勢手術は行動面にも大きな変化をもたらします。
オス猫のスプレー行動は、去勢手術によって約9割の猫で改善が見られるとされています。また、メス猫をめぐる攻撃行動も減少することが多いです。
ただし、すべての攻撃行動が去勢によって収まるわけではない点は理解しておきましょう。
去勢手術のデメリット・注意点

猫の去勢手術を行う場合はいくつかの注意点を理解しておくことが大切です。
去勢後はホルモンバランスの変化により、体重が増加しやすくなります。
肥満はインスリン感受性の低下を招き、糖尿病のリスクが高まることが報告されています。去勢手術後は適切な食事量の管理と定期的な運動を心がけましょう。
肥満は糖尿病以外の病気を誘発することもあるため、体重管理は去勢後のもっとも重要なケアのひとつです。
一部の研究で去勢手術と下部尿路疾患との関連も指摘されていますが、現在ではストレスや室内環境などの要因のほうが大きいと考えられています。
また、去勢手術に伴う全身麻酔には少なからずリスクがあります。
猫の麻酔死亡率は犬の約2倍(犬0.054%、猫0.11%)と報告されているため、術前の十分な健康チェックが重要です。
まとめ
猫の去勢手術は寿命の延長、問題行動の抑制など、多くのメリットがある手術です。
デメリットは術後の肥満管理や麻酔リスクなどに限られ、適切な管理を行えば大きな問題にはなりません。
猫に合った去勢手術の最適な時期や方法について不安をお持ちの方は、ぜひ当院にご相談ください。
去勢手術を行い、愛猫の健やかな生活を守りましょう。
よくある質問
Q.去勢手術後に必要な自宅でのケアは何ですか?
A.去勢手術後は傷口を舐めないよう見守り、エリザベスカラーの使用が有効です。
安静に過ごさせ、無理な運動やジャンプは控えてください。
食欲や元気の有無、排尿・排便の様子も確認しましょう。
Q.去勢手術後に性格が変わってしまうことはありますか?
A.去勢手術により攻撃性やスプレー行動は減少しますが、猫本来の個性や愛らしさが失われることはありません。
むしろ落ち着きが出て、飼い主様との関係がより良好になることが多いです。
甘えん坊になったり、人懐っこくなったりする変化は見られますが、これは猫にとってポジティブな変化と考えられています。
Q.手術中や手術後、猫は痛がらないのでしょうか?
A.手術中は全身麻酔をかけているため、猫が痛みを感じることはありません。
また、術後の痛みをできるだけ和らげるために、数日分の内服の痛み止めを処方することもあります。
猫は痛みを隠す習性があるため、帰宅後にじっとして動かない、食欲がないなどの様子が見られたら、痛みのサインかもしれません。
その際は遠慮なく獣医師に相談してください。
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