フィラリア症
フィラリア症とは、犬の体内にイヌフィラリア(和名:犬糸状虫)が入りこみ、成長した虫が心臓や肺の動脈に住みついた結果、さまざまな形で犬の体調を悪くする病気です。犬の種類、年齢、体重やそのときの体調にかかわらず感染するリスクのある病気です。
イヌフィラリアは、蚊によって運ばれ、広がっていきます。
一般的に、寄生数が少ない場合や病気の初期の場合はほとんど無症状ですので、見過ごしてしまいがちです。 深刻な症状がみられるのは、フィラリアが感染してから何年も経ってからの場合が多いです。 また、まれに、ひっそりと暮らしていたフィラリアが突然に暴れだし、急激な症状の悪化がみられることがあります。 この場合、救急治療が必要になります。
病気が進行したときの症状
- ・慢性的な咳
- ・元気がなくなり散歩を嫌がったりする
- ・激しい運動ができなくなる
- ・全身のうっ血状態を起因とした主要臓器の機能不全
- ・腹水がたまる
- ・運動時などに失神する
フィラリア症は、ちゃんとした予防によって防ぐことのできる病気です。
毎年、必ず定期的に検査をしてお薬を投与して下さい。
内服薬によるフィラリア症の予防のポイントは、2つあります。
ひとつは、1ヶ月ごとに確実に薬を飲ませること。
そして、もうひとつは、薬を始める時期と終わらせる時期を守ることです。
始めるタイミング……蚊が飛ぶようになってから1ヶ月後
終えるタイミング………蚊がいなくなってから1ヵ月後
避けなければいけないのは、「蚊を見なくなった」「涼しくなった」と勝手に判断して投薬をやめてしまうことです。今まできちんと投薬していても1回抜けてしまうだけで感染する可能性を高めてしまいます。詳細な投薬期間は、獣医師の指示に従ってください。
フィラリアが寄生してから「予防薬」を投与したら
血管内にミクロフィラリアがいた場合、予防薬の影響によって、これらが死滅することがあります。その結果、急激な異物が血管内に産生されるため、犬の体内で激しいアレルギー反応が起こることがあります。
例えば、前年の飲み残しの薬を診察(血液検査他)をしないで飲ますとこのような急性症状を起こす危険性があります。毎年投薬を始める際には獣医師の診察を必ず受けてください。
なお、フィラリア予防薬は、薬事法で獣医師の指示なしに処方することができない薬(要指示薬)となっています。