人間のスキンケアの勉強をしていると、混合肌、乾燥肌、オイリー肌などの名前を目にすることがあります。
もちろん、動物にもあります。
この記事では、主に犬のべたべたしてしまう原因で、においが伴う「脂漏症(脂っぽい)」についてお話します。
脂漏症とは?~脂漏症から引き起こされる皮膚炎
脂漏症は 皮脂が過剰に分泌され皮膚がべたついたり、フケが出てしまう状態のことを言います。
脂漏症には大きくわけて2つの原因があります。
①遺伝的なもの
生まれつき脂漏症になりやすい体質の犬もいます。
代表的なのがシーズー。祖先が中国、チベット生まれと言われていて乾燥した気候で生息していたためもともと皮脂の多めの犬種です。高温多湿の日本では皮膚のコンディションが保ちにくいと言われています。
②後天的なもの
皮膚は約3週間かけて古い細胞が新しい細胞に生まれ変わる新陳代謝が起きています。このターンオーバーはストレス、乾燥、食事、様々な理由でバランスが崩れてしまうことがあります。バランスが崩れてしまったことの結果として、皮脂症が起きてしまう事があります。
また、遺伝的なものではなく、後天的にアレルギー体質になり、内分泌疾患によっても症状がみられます。
皮膚や被毛がべたべたする、フケが出るだけなら問題ないのでは?と、楽観視してはいけません。
皮脂が増えると、皮脂や水分を好むマラセチア菌などが増殖しやすくなり、菌が増えることで痒みや赤みなどが生じます。
上記のように脂漏性が原因で引きおこされる皮膚炎を、脂漏性皮膚炎といいます。
皮膚炎の治療
①シャンプーをする
皮膚炎の原因になりやすいマラセチア菌はもともと皮膚に存在する、常在菌です。皮膚トラブルによって菌が増殖し、皮膚炎や痒みを誘発します。
シャンプーをすることで、菌の数を減らし、また増殖理由になる皮脂も洗い落とします。
シャンプーを定期的に行うことで、菌の数をコントロールします。
シャンプーは病院から処方される「薬用シャンプー」を使用してください。
その子の皮膚の症状、菌の種類によってシャンプーも変わるので、皮膚のトラブルがあったときはまずは病院で検査し、原因をつきとめましょう。
②保湿
薬用シャンプーは皮脂を洗い落とす効果が強いため、皮膚が乾燥しやす刺激も普通のシャンプーより強い。皮膚のトラブルがある場合は、「セラミド系」の保湿剤が効果的です。
また薬用以外でもシャンプーの後や日常的に使用してあげることで、皮膚のコンディションを保ったり、乾燥からくる皮脂の過剰分泌なども抑えられます。
③飲み薬
菌が増えたり、シャンプーでは管理しきれない場合、飲み薬での治療を行うこともあります。
皮膚炎は重度化すると治すのに時間がかかってしまいます。
痒みや赤み、フケなどに気が付いた時は早めに病院にご相談ください。
当院では一般診察の他に、毎月第一土曜日に皮膚科専門外来も設けております。
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