血尿

【膀胱炎、尿石症】猫、犬の尿の回数が多い…!尿に血が混じっている…!膀胱結石が原因となった膀胱炎症例(猫ちゃんの場合)

皆さんは普段、一緒に生活しているわんちゃん、猫ちゃんの尿の状態に注目していますでしょうか?尿の色や回数、匂いなど、いつもと違うと感じた時、そこに病気が隠れていることがあります。

<来院と検査>

今回紹介する猫ちゃんは、血尿と1日に6回ほどの頻尿が続くと来院されました。泌尿器の症状がある場合、まずは超音波検査を行い、腎臓や膀胱の状態を調べます。すると、膀胱内に白くうつるものが見えました。

エコーでは尿などの液体は黒く抜けてうつるため、この白くうつるものは膀胱内の結石や血のかたまりなどが考えられます。今回の場合、その形状や下に黒い影(シャドー)が見えることから、結石が疑われました。

(来院時のエコー検査の画像)

膀胱内に結石がある場合、その上部の経路である腎臓や尿管にも結石がないかどうか確認する必要があります。エコー検査では明らかなものは見つかりませんでしたが、より確実にするためにレントゲンの検査を行いました。

(来院時のレントゲン検査の画像)

レントゲンの画像では、エコー検査と異なり液体は白く見えます。ですので、今回のレントゲン画像も膀胱内に貯留した尿が白くうつっています。さらに、その中によりはっきりとした白いものがうつっています(オレンジ矢印)。レントゲン画像では、多くの結石の成分は液体よりもさらに白く描出されます。やはり今回のこの猫ちゃんの膀胱炎の原因は、膀胱内の結石にありそうです。

画像検査と並行して、尿検査も行いました。この日の検査では、尿中に細菌感染は見られず、また、尿中に結石の成分は採取されず、結石の成分については分かりませんでした。

<治療>

尿中に結石やその成分である結晶が出ている場合、泌尿器系のご飯に切り替えて結石や結晶が溶解するのを期待するか、手術で取り除く治療となります。ただし、結石の成分によっては、ご飯では溶けません。今回の猫ちゃんの場合、尿検査では結石の成分が分からないことと、結石が大きく、複数個あったことから手術によって結石を摘出することに

なりました。

今回は、結石があるのは膀胱内ですので、膀胱を切開して内部の結石を取り出す手術になります。

膀胱の表面を1㎝ほど切開し、そこからスプーン状の器具をいれ中の結石を一つずつ取り出していきました。

(膀胱から結石を摘出している様子)

レントゲンで結石が残っていないかを確認し、傷口を閉じていきます。

手術時に摘出した結石と、尿のサンプルを検査したところ、結石は【シュウ酸カルシウム】という成分のものでした。また、この猫ちゃんの尿中には細菌感染は見られず、膀胱炎の原因は結石によるものと特定できました。

(手術で取り出した結石の写真)

手術後も結石が再発していないこと、排尿が問題なくできていることを確認し、この猫ちゃんは無事に退院していきました。

現在、手術から2ヶ月経ちましたが、その間も尿の症状が繰り返されることもなく、結石が再度作られている様子もありません。今回の結石はご飯では解けない種類のものであったたため、早期からの外科的治療の選択が功を奏した結果となりました。

(手術後のエコー、レントゲン画像:結石の再発がないことが分かります。)

<尿路結石の成分>

一般的な結石の種類

・シュウ酸カルシウム:

(左:尿中の結晶の形、無色の生八面体が特徴的です)(右:結石の様子、黄色がかっておりボコボコと歪な形です)

酸性尿で出現しやすく、食事療法では溶解しません。雌で多いと言われています。

・ストラバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム):

(左:尿中に見られる結晶の形、長方形の立体です)(右:結石の様子、乳白色で表面は滑らかです)

アルカリ尿で出現しやすく、雄に多いと言われています。食事療法により、尿の酸塩基バランスを整えたり、マグネシウムの摂取量を調整することで溶解することが期待できます。

・尿酸アンモニウム

アルカリ尿で出現しやすく、肝不全などの代謝性疾患に伴うことも知られています。レントゲンでは描出されないため、エコー検査と合わせて判断することが大切になります。

特に、これから寒くなる時期には泌尿器系の疾患が増えてきます。飲水量の減少や、トイレに行く回数が減ることが関わっていると言われます。

尿の回数や、量、色が変化したり、排尿時に痛そうにしている様子が見られたり…気になる症状が現れた場合は早めにご来院ください。

渋谷、恵比寿、代官山の動物病院

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