僧帽弁閉鎖不全症は小型犬(チワワ、マルチーズ、トイプードル、キャバリアキングチャールズスパニエルなど)で最も多く認められます。
この病気は心臓の左房と左室を隔てている弁(僧帽弁)が加齢とともに肥厚(粘液腫様変性)または弁を支持している腱索が断裂することで、僧帽弁が逸脱して左室から左房へ血液が逆流してしまうことが問題になってきます。この病気が進行していくと心不全となり、肺に水が溜まり(肺水腫)呼吸困難を起こします。
日常生活で僧帽弁閉鎖不全症に気づくポイントとして、咳をするようになったり、疲れやすくなります。また、心臓の音を聴診するとザーッという雑音が心音と一緒に聞こえたり、X線検査で心臓が大きくなっていること、心臓の超音波検査で血液の逆流があることで僧帽弁閉鎖不全症と診断します。
僧帽弁閉鎖不全症は完治することはなく、治療の目的は心不全になるまでの時間を遅らせることを目的にしています。
現在、僧帽弁閉鎖不全症の内科的治療は重症度分類によってガイドライン化されており、進行を遅らせることが可能になってきています。また、近年の日本ではこの病気に対しての外科的治療を行う施設が増えてきています。
僧帽弁閉鎖不全症の進行を遅らせるためには内科的治療を開始するタイミングが重要になってくるので、定期的に検査を行い、その時期を見極めることが大事です。
左房が拡大した心臓のレントゲン

心臓エコー検査で僧帽弁付近で血液の逆流を認める

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