私たちの生活の中で、人とペットのつながりはますます親密なものとなっています。人とともにペットの寿命も長くなり、その存在はまさしく家族そのものです。
私たちがペットとなる動物たちと出会う場所も様々で、ペットショップやブリーダー、野良猫や保護施設からの譲渡などがあります。いざ、お家に迎えてからは、環境に慣れてもらったり、トイレトレーニングをしたりとやることは盛り沢山です。病院での健診もその一つですね。
そして種々の予防や健診を終えたら、ぜひ忘れないでいただきたいことがもう一つ。避妊と去勢です。特に避妊手術をしない場合、将来命に関わる病気になる可能性も出てきますので注意が必要です。
• 発情周期と子宮疾患について
犬や猫にも発情周期とよばれるものがあり、雌の身体が妊娠への準備を整える時期が発情前期、準備が整い交配のタイミングとなるのが発情期、そして妊娠せずに終えた際に徐々に子宮を元の状態へ戻す期間が発情後期です。その後は発情休止期と言って次の発情に備えます。
犬や猫はこうした発情周期に伴い、体のホルモンバランスが変化します。ホルモンの変化によって、体の免疫力にも影響が見られ、一番免疫力が低下する時期が発情後期です。この時期に子宮に感染や炎症が起こると子宮の中に漿液や膿がたまり子宮水腫、子宮蓄膿症と呼ばれる病気にかかりやすくなります。
こうした病気にかかると、陰部から粘液や膿が見られることもありますが、そう言った症状は見られないこともあります。多くの子は食欲不振や多飲、多尿、頻尿、元気の低下と言った症状が出てきます。中にはお腹が張っていると言って来院されることもあります。この病気は早期発見できずに放っておくと、敗血症を引き起こしたり、子宮が破裂して腹膜炎を起こすこともあり、高い確率くで亡くなってしまうこともある怖い病気です。治療としては、緊急手術によって子宮と卵巣を摘出する必要があります。
とても怖い病気ですが、避妊手術を行うことで完全に予防することが可能です。子どもを作る予定がない場合は、なるべく早めの避妊手術をお勧めします。
病院ではいつでご相談を承っておりますので、お気軽にお声掛けください。