猫の慢性腎臓病の食事管理とラプロス
高齢の猫ちゃんでのもっとも代表的な病気を知っていますか?
高齢の猫ちゃんの多くには、加齢にともない腎臓の機能が徐々に低下していく慢性腎臓病という病気があります。
☆慢性腎臓病ってどんな病気?
慢性腎臓病とは、腎臓の機能が長い年月をかけ、ゆっくりと低下していき、10歳以上の猫の30~40%の猫ちゃんが患っているという高齢の猫ちゃんでは代表的な病気です。
症状は多飲多尿や、食欲不振、体重減少、嘔吐や下痢などがあります。
☆腎臓とは…
・血液中の老廃物をろ過し、尿をつくる
・血圧の調節や造血に関わるホルモンの分泌
など他にもさまざまな機能を持っています。
慢性腎不全は進行性の疾患なので、失われてしまった腎臓の機能を回復させるのは不可能だと言われております。
また、腎臓の機能の3分の2が失われるまで目立った症状が見られず、定期健診などで早期発見をすることが重要とされている疾患です。
当院でも飼い主様より最近お水を飲む量が増えた、おしっこの量が多いなど高齢の猫ちゃんの診察時に相談を受けます。

今回はそんな慢性腎不全と戦う猫ちゃんたちのため、少しでも幸せな生活を送れるよう
慢性腎臓病の《食事管理やお薬について》お話していきたいと思います!
慢性腎臓病では腎臓の排泄機能が低下してしまいますので、
①リン ②たんぱく質 ③ナトリウム
などは腎臓でのろ過で負担となるため摂取を控えていくことが大切です。
また、たんぱく質の制限をするとカロリー摂取量も減ってしまいますので、カロリーを補充する食事をとることも大切になってきます。
これらをバランスよく保っている腎臓食もありますので、腎臓の状態によって獣医師とごはんについても相談していくことも必要です!
※しかし、腎臓用のごはんはたんぱく質などを制限していることにより、嗜好性が低いのが悩みどころです…。
腎臓用のごはんは様々なメーカーで取り扱っておりますので、諦めずにその子にあったごはんを探してみましょう!
また、慢性腎臓病では多尿となり脱水を起こしやすくなるので、ウェットフードやお水で水分をしっかりととることも重要ですね。
今注目されている、ラプロスというお薬があります。
慢性腎臓病では先程もお話したように完治をする疾患では無いため進行を遅らせてあげることが猫ちゃんのQOL(生活の質)を維持するのにとても大切となってきます。
ラプロスには
・血流の回復 ・慢性的な炎症を抑える
作用があります
血流を増やすことで腎臓に届く酸素を増やし腎臓の悪化を抑えたり、サイトカインという物質が出るのを抑えることで腎臓の線維化による腎臓の機能の悪化を抑えることが期待できます。
慢性腎臓病は完治させることは残念ながらできません。なので、慢性腎臓病の治療目的は、少しでも病気の進行を遅らせ、お家の猫ちゃんが幸せな毎日を送ることができるように手助けをすることです。
猫ちゃんはとても我慢をしやすい動物です。
定期的な健康チェックで早期発見ができるように心がけていきましょう!
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