パテラ

【膝蓋骨脱臼(パテラ)】犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)の当院の手術について(足をケンケンする、びっこをひく)

 

 

お家のわんちゃんを見ていて、後ろ足を上げていたり、ケンケンをするような症状がみられることがありませんでしょうか。

膝蓋骨脱臼はお膝のお皿が内側または、外側に脱臼してしまう状態をいいます。

小型のわんちゃんでは特に内側へ脱臼してしまう【膝蓋骨内方脱臼】が多くみられます。

今回は当院での膝蓋骨内方脱臼整復手術の紹介です。

 

☆膝蓋骨脱臼の原因は・・・

・膝関節や膝関節周辺にみられる先天的な異常

・外傷などが原因による後天的な異常

が考えられます。

 

 

☆膝蓋骨脱臼のグレード分け

というように膝蓋骨脱臼では、グレードⅢ以上は外科手術が必要となってきます。

また、グレードⅡ以下の場合でも痛みや、跛行の症状がある場合では外科手術を検討することになります。

 

最近来院されたわんちゃんでは

もともと両足のお膝がグレードⅢであったため片方の足を1年前に整復しましたが

1年後にもう片足の挙上がみられたため手術となりました。

 

☆当院での手術の術式

・滑車溝の確認

滑車の溝が浅くお膝が正常の位置から落ちやすくなっています。

 

・滑車溝の造溝

お皿がのっている滑車溝が浅いとお皿が正常な位置からずれ落ちてしまいますので、

人工的に溝を作ります。

 

・脛骨稜の転移

太ももからつながる筋肉は、膝蓋骨を経由し、すねの骨の脛骨稜という部分につながっています。

脛骨稜に一部骨切りを行い、脛骨稜の位置をずらすことで太ももの筋肉、膝蓋骨、滑車溝、脛骨稜のラインの調整を行います。

 

骨切り部分をKワイヤー(ピン)を用いて固定

・周辺の軟部組織のアライメント調整

内側筋膜のリリース、筋膜外方の縫縮などを行い筋肉による引っ張り具合を調整し、膝蓋骨を外れにくくします。

・縫合

傷口は3~5㎝程です。

・包帯装着

術後は包帯で固定を行い

状態が安定していれば5日ほどで包帯をはずします。

 

 

入院は5-7日程で、その子の状態によって変わってきます。

 

・退院後

退院後は定期健診を行い、ピンのずれがないか、

手術後の足をうまく使えているかを確認していきます。

ほとんど子がその後上手に足を使えるようになり、元気に走ることができるようになります!

 

当院では整形専門の先生による、整形専門外来を行っております!

通常の診察日に勤務医による診察も可能ですので、『足を上げている、ケンケンしている、足先が内側に向いている』など後ろ足の違和感などありましたら、お気軽にご相談ください。

 

渋谷、恵比寿、代官山の動物病院

HALU動物病院

03-6712-7299

担当獣医師

整形外科

安川 (ヤスカワ)獣医学博士

言葉を発することができない彼らが示すサインを的確に見極め、本当に手術が必要な場合に最高水準の治療をしてあげられるよう外科技術を研鑽してきました。

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