お知らせ

【災害時対応】災害が起きる前に病院でできること、やるべきこと~三選~

2011年に発生した東日本大震災の時には、ペットとの同行避難についての知識や意識が十分に浸透しておらず、多くの飼い主がペットを置いて避難せざるを得ない状況でした。

自分の避難に精いっぱいの状況で、事前に動物の同行が可能な施設や備えもなく、一緒に避難することは可能かどうか。

実際にはとても厳しいことでしょう。

いざという時、大切な家族を見捨てずにすむ状況を作るのは、今まさに「自身が災害に備えて準備をする」という意思の他なりません。

前回の記事では、環境省の提示するペットの災害対策を簡単にまとめました。

やることをチェック式にあげることができれば、あとは実施するだけです。

その中でも、

  1. 各種予防の確認や接種
  2. マイクロチップ
  3. 常備薬やフード(処方食)の相談について

に関しては、当院にご相談いただければいつもの診察の中で行うことができます。

今回はその3つについて、HALU動物病院でできること、一緒に考えることができることをご案内いたします!

各種予防の確認、接種について

予防には大きく分けて、狂犬病予防接種、混合ワクチン、寄生虫の駆除の3つがあります。

■狂犬病予防接種

狂犬病予防は法律で義務とされています。

接種方法は区市町村の集合注射、または動物病院でおこなうことができます。

日本では発生がないと言われていますが、災害時の同伴避難の際に証明書が必要になる場合があります。

■混合ワクチン

混合ワクチンは犬、猫が重篤化しやすい感染症を予防するものです。

また、感染症の中には人間にもうつる人獣共通感染症もあります。

移さない、移させないためにも混合ワクチンの接種をおすすめします。

混合ワクチンは動物病院で行うことができます。

混合ワクチンは基本的に1年に1回の接種をおすすめしていますが、接種したワクチンの抗体価が十分に高ければ接種する必要がない場合もあります。

混合ワクチンを接種したことがあり、ペットの体調に不安がある場合は【ワクチン抗体価検査】を行う場合もあります。

まずはご相談ください。

狂犬病予防接種証明書、混合ワクチン接種証明書、抗体価検査結果はいつでも取り出せる場所に保管しましょう。

接種時期がわからない、証明書をなくしてしまった場合は、当院で接種歴があればすぐにご案内できますのでお気軽にお問合せください!

■寄生虫駆除

・フィラリア…蚊を介して寄生する寄生虫。犬、猫ともに寄生リスクがあります。予防薬を適切に使用することで駆虫することができます。

・ノミ、ダニ…草むらや室外のどこにでもいる可能性のある寄生虫です。人間にも害を及ぼし、特に動物に付きやすく、見つけることも困難です。毎月の予防をおすすめいたします。

上記2つに関して当院では春になると、注意喚起も兼ね予防のお知らせを毎年送付しております。

お得なキャンペーンも実施していますので、ご興味がありましたらお問合せください!

寄生虫駆除と言うと上記がよく知られているかと思いますが、消化器官に寄生する寄生虫もいます。

これらは主に仔犬で症状が見られ、成犬では症状のないこともありますが、成犬でも免疫力が低下した場合に症状がみられることがあります。

下痢などの消化器症状がみられ、排せつした便から感染が広がります。

災害時の避難所生活などで、人間と同様にペットにも大きなストレスがかかることは想像できます。

日常生活ではまったく問題がなくても、非常時になった時の体調の変化や起きる問題は予測が難しいです。

また、排泄物から感染が広がるため、緊急時の衛生環境が整っていない状況で周りに移さない、移させないためにも検査歴がない場合は一度検査することをおすすめいたします。

検査をご希望の場合は、ご予約時に検査希望の旨を備考欄に記入お願いいたします。

気になることがありましたら、一度ご連絡ください!

マイクロチップ

マイクロチップは円筒の小型カプセルで、犬や猫の皮下に埋め込まれ、半永久的に読み取り可能とされる個体識別証です。

災害時に離れ離れになってしまった時に、専用のリーダーで番号を読み取ることでデータベースに登録されている飼い主に連絡がいくことで帰ることができます。

マイクロチップは2023年6月に装着が義務化されており、以降に犬や猫をお迎えした場合には装着されていることが多いです。

マイクロチップの確認や、装着されていなかった場合は当院でも装着ができます。

また、装着するだけではなく必ず【情報登録】を行ってください。

常備薬やフード(処方食)の相談について

持病があり、毎日薬を飲んでいる。

毎日食べているフードは持病に合わせた処方食である。

災害時にいつもの物が手に入らなくなることは想像ができます。

普段からご相談を主治医にしていただくことで、万が一の備えができるかもしれません。

いつもの診察のついでに、ご相談いただければと思います!

■ 病院に診察に行く、限られた空間でおとなしくできる?

避難所では人間と動物がずっと一緒にいられないことがあります。

区などで案内をされている、「ペット同行避難」ですが、これは避難所に人間と一緒に動物も避難できる、という意味です。

避難所で人間と一緒に過ごせるというわけではありません。

※「同伴避難」は人間と動物が一緒に同じ空間で避難できることを指します。

避難所により異なりますが、その多くは同行避難を想定とされています。

人間の動物アレルギーや様々な問題に配慮し、動物は避難時に持ち寄ったクレート、ケージの中などで動物専用の部屋で管理されることになります。

以上のことを見ても普段から、クレートやケージに慣れさせる訓練が必要です。

病院に来院する時などに実際に避難するときに持っていくクレート、バッグなどで移動し、その中で自分のペットがどういった様子なのか、周りに他の犬や猫がいる状況でお利口にできるかどうか観察するチャンスでもあります。

また、大型犬の場合は限られた空間の中で自分の側でおとなしくできるかどうか、他の動物に興奮しないかどうかも観察できるかもしれません。

日常の生活や遊びや散歩以外の、ポジティブな空間以外での様子はなかなか見ることができないと思います。

待合で待っている間など、注意深く観察することを一度おすすめいたします。

※どうしても興奮してしまう時…

不安や恐怖心を和らげる香り(フェロモン)のスプレーやサプリメントなどをご紹介できる場合もございます。

当院に一度ご相談ください。

■他にも考えなくてはいけないことはある

ペットと一緒に避難をする知識や情報は年々見る機会が増えてきました。

しかしその上でも、2024年能登半島地震では、ペットと一緒に避難することの難しさが挙げられていました。

東京では区ごと、避難所ごとにペット同行避難の際の規定は異なります。

渋谷区では災害時のペット同行避難が可能な避難所は、2024年3月渋谷区防災課災害対策推進係に確認したところ

渋谷区防災ポータル(https://bosai.city.shibuya.tokyo.jp/)に、災害が発生した場合に掲載されると返答がありました。

※他区では事前に公開されているところもあります。

ネットで検索するだけでは確認できない情報もたくさんあります。

防災意識が高い今だからこそ、各自が当事者意識をもって行動を起こすことが大切になります。

一緒に準備をしていきましょう!

―――――――――――――――――――――

渋谷、恵比寿、代官山の動物病院(年中無休、年末年始も診察している動物病院)
HALU代官山動物病院
03-6712-7299

・予防だけさっとすませたい
・猫ちゃんだけの診察
はこちら!

HALU+
住所:渋谷区代官山町14-20 カトルズ代官山103
電話番号:03-6712-7299

担当獣医師

内科・循環器科・軟部外科

游 (ユウ)HALU代官山動物病院 院長

「たとえ病気になったとしてもその中で一番幸せに暮らせるように」
患者さん、家族、獣医師間の密なコミュニケーションを大切にしています。

内科・眼科

宮本 (ミヤモト)

動物たちからたくさんのことを感じ取り、からだへの負担をできる限り少なくすること、ご家族さまとのコミュニケーションの中で治療方針をご一緒に考えていくことを大切にしています。

内科・画像診断科

岩木 (イワキ)

多くの選択肢をわかりやすくオーナー様に提供でき、大切な家族の一員である子たちにとって最適な治療計画を一緒に見つけられる存在であるために、寄り添える獣医師を目指しています。

内科・脳神経科

浅田 (アサダ)獣医学博士

てんかんを中心とした神経疾患とその治療について研究をしました。現在も研究生として大学院および大学病院において研修を行っております。

内科・鍼治療

永田 (ナガタ)

病気と向き合う中でどうしたら現状を良くしていけるのか、プラスになりそうな 事をひとつひとつ考えながら、より良い時間を過ごせるようなお手伝いができたらと思っています。 些細なことでも、気軽にご相談ください。

循環器科・内科・軟部外科

湯沢 (ユザワ)

動物は、家族にとってかけがえのない存在です。 愛おしくもたくましい彼らの人生が、長く幸せで楽しい時間であるためのサポートをすること!をモットーにしています。

関連記事